ディスコ堂 by mrkick

音楽に貴賎なし ―Discoの考察とCD批評

リサ (Lisa)

Lisa83年ごろのディスコでは、本当によくかかっていました。9分半もある「ロケット・トゥ・ユア・ハート」、変な振り付けが流行った「セックス・ダンス」、このCDのタイトルでもある「ジャンプ・シャウト」などなど、このアルバムのほぼ全曲がヒットしていました。ジャンルはハイエナジーに入ります。

このアルバムには思い出があります。20年前、待ちに待ってタワーレコード札幌店で購入したのですが、友人に貸したら思いっきり歪んで戻ってきたのです。真夏の車内に置きっ放しにして、レコードの一部が溶けてしまったのでした。その後、同じレコードは二度と手に入りませんでした。完全に意気消沈しました。当時は意外に希少だったのです。

10年以上経って、CD化されたのを機に再び手に入れたのですが、感慨深いものがあります。私にとっては基本の一枚。ここまで手の込んだ曲作りは、ほかではあまり聞けないものでした。ハイエナジーというのは、単調で安っぽくなりがちでしたけれど、これはシンセの使い方がうまい。ビートもきちんとしていて、重厚な音になっていると思います。CDの方も、最近は希少価値が高まっているようで、米アマゾンでは6000円ぐらいしています。

レーベルはBTGと同じ米サンフランシスコのモビー・ディック。ゲイ系のミーハーディスコを代表するレーベルでした。しかし、日本のディスコは、ゲイもストレートも関係ないというのが大きな特徴です。この人の曲がかかれば、皆、掛け声を上げて踊っていたものです。

Pink Lady

Pink Ladyいやあ、突然ピンク・レディーです。しかし、日本人がディスコを語るなら、彼女たちを決して無視はできません。このブログでは、まず80年代から入っているわけですが、日本人として、このあたりで取り上げておこうと思いました。このCDは、「ペッパー警部」や「UFO」が入っている一般的なアルバムではありません。彼女たちが米国進出を賭けた記念すべきものなのです。すべて英語で歌っているのです。

ディスコを20年以上「研究」している者としても、瞬間風速的とはいえ、彼女たちの偉大さは特筆すべきものです。79年6月、宇多田ヒカルだって倉木麻衣だってYMOだって松田聖子だって叶わなかった、夢の全米トップ40入りを果たした(37位)のですから。あの坂本九の「スキヤキ」(63年に3週連続1位)は別格としても、それに次ぐ記録の保持者なのです。その意味では、宇多田ヒカルなんて言われているほどたいしたことはない。みんなが好きな「あめりか」の壁は厚いのです。

曲名は「Kiss In The Dark」で、このアルバム「Pink Lady in USA」からシングルカットされました。ストリングスとドラムの音が強調された、70年代後半の典型的なイケイケズンドコ系の曲です。特に特徴といったものはないのですが、当時流行っていたバカラとかシルバーコンベンションみたいな感じです。アルバムには、このほかにもトム・ジョーンズの「ラブ。ミー・トゥナイト」のカバーなんかにも挑戦しています。音はやや軽いですけれどもね。

数年前、米国で話題になったディスコ解説本「サタデーナイト・フォーエバー」でも、「リライト・マイ・ファイア」のダン・ハートマンや「恋の診断書」のキャロル・ダグラスといった名だたるディスコ系ビックアーチストと並んで、ピンク・レディーが紹介されています。以下、その一部を訳して紹介しておきます。

「ピンク・レディーは西側諸国にとっても記憶に残る日本のディスコアーチストだ。ミーとケイの2人の女性のデュオは当時、日本では既にスーパースターであり、米国に進出するべく、英語だけのアルバムを制作した。ただ、その英語は、いかにも日本語らしかった。……ニューヨークで録音されたそのアルバムで、彼女たちは美脚を露出し、学校の制服を身にまとっている。現在では、ちょっと異色で風変わりなディスココレクターのコレクションの一つになっている」

彼女たちはこの年、全米のバラエティショーのメーン出演者としても一時期、活躍しました(あまり人気が出なくてすぐに放映が打ち切られたそうですが……残念)。

私は別にピンクレディーのファンではないのですが、その足跡はたいしたものだと認めます。世界の英語のディスコサイトをたどっていくと、ピンク・レディーを話題にしているのをけっこう目にします。まあ、からかわれているケースも多いのですが……。

でも、このアルバムのCDや「Kiss In The Dark」の12インチは、日本円で5、6千円しています。東洋発のディスコに関心を持つコレクターは、確実にいるのです。ディスコ好きのメール仲間のアジア系米国人も「若いクラブ愛好者の間でも、セイコ(松田聖子)とピンクレディーの名は、知っている奴がけっこういる」と言っていました。

Lime

LimeUnexpected Lovers(85年)やAngel Eyes(83年)で知られるライムには、ごく一部にしか知られていない(別に知りたくもない)都市伝説がある。

このアーチストの特徴は「だみ声」のクリス・マーシュの男性ボーカルと「金切り声」のジョイ・ドリスの女性ボーカルの妙(?)。メロディーやリズムラインは概ね、80年代前半の電気音操作術をいかんなく発揮していて美しいのだが、男女ボーカルがなんだかミスマッチなのだ。「そこがいい」と思うときもあれば、「それがいやだ」と思うときがある。変な曲調である。

このクリスとジョイは、カナダ人ということになっている。本当は夫婦だという説がある一方で、「本当にそうなのか」という疑問の声も多い。いろんなライナーノーツや世界中のディスコサイトをのぞいても、諸説があってはっきりしない。

まあ、本当はDenis LepageとDenyse Lepageというアーチスト夫妻がLimeの実体で、見てくれの良いクリス&ジョイ(海外ディスコサイト「Discog」参照)は、単なるプロモーション用の「代理」だとの説が有力なのだが、そうなるとクリス&ジョイの実体の方も気になってくるというのが人情というもの。なんだか胡散臭い。直接、本人や当時の事務所に問い合わせる人間もなく、謎のままになっている。

しかも、この2人は同一人物だという説もあるのだ。いわく「ボイスチェンジャーを使って、声色を使い分けて収録している」のだそうだ。どうでもいいかもしれないが、いかにもディスコらしい話だと思う。

以前にも話したが、ディスコ音楽はあっても、純然たるディスコアーチストは意外に少ない。ライムは、そんな中でも純度の高いディスコグループといえる。しかも、けっこうメジャーな部類に入る。81年発売のこの「Your Love」(写真は再発CD)はデビュー作で、ディスコチャートでは1位に輝いた。その後も80年代を通じてアルバムを発表し続け、「Engel Eyes」、「Guilty」、「Unexpected Lovers」などのディスコヒットを連発している。

それでも、いまひとつ正体不明なところがある。顔写真もどこにも載っていない。例えばこのYour Loveでも、奇妙な黄髪女が、本当にライムを手に意味のないポーズをとっているのだが、これが女性ボーカルのジョイだとは考えにくい。

ディスコアーチストは、極端に資料が少ない場合が多い。70年代後半から80年代にかけては、ディスコチャートには登場しても、レコードに張り付いているレーベル情報以外は一切、不明だというケースがほとんどである。正真正銘の一発屋はおびただしい数に上る。

当時のアメリカでは、ブームのディスコでまず名を売ろうとした無名ミュージシャンが、星の数ほどいた。とにかくディスコであざとく、あこぎに売り込んで、それからメジャー界に食い込もうとする。ディスコ映画「フィフティーフォー(54)」のラストで、そのあたりの物語が描写されているとおり、夢破れて退場していく者が多かったのである。同様の手法をとった成功者にはマドンナがいるが、こうした者はごく一握りでしかない。

ディスコ界の成功者のライムでさえ、ついに「ビルボードトップ40」的にメジャー入りすることはなく、90年代以降はほぼ完全に忘れ去られた。数々の謎は、現在まで謎のままである。

80s Remix

80s Remix続けてコンピの紹介ですいません。でも、日本のコンピレーションをこの辺で持ち上げておきたかったのです。東芝EMIが97年に発売したものですが、かなり気に入っています。中古でけっこうみかけますけれど、おすすめです。

まず、選曲がいい線いっています。外国のも含めて、80年代ディスコの良いコンピレーション(オムニバス)はほとんど無いといっても過言ではありません。一般的なシングル・バージョンのディスコ選曲集はたくさんあるのですが、これにはクイーン「ラジオ・ガガ」やトーマス・ドルビー「ハイパー・アクティブ」やヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース「パワー・オブ・ラブ」といった、ほかでは目にしない12インチバージョンが入っているのが良いのです。

もう一つは、音質がすばらしいことですね。日本盤は全体的に音が良い。某レコード会社幹部の知人も、「日本人ぐらい音質にうるさい人種はいないのではないか」と言っています。確かに、マスターテープをきちんと取り寄せて、しかも12インチバージョンを最後までちゃんと収録する姿勢は、私にとっては尊敬に値します。

このCDには11曲しか入っていませんが、77分程度しか入らないCDでは、12インチばかり集めているのでこれで限界です。へたなコンピCDであれば、15、16曲の12インチバージョンが入っているのに、ほとんどが途中で勝手にフェードアウトされていたりしますから。

ディスコの曲というのは、長く踊ってもらうとか、DJが曲をつなぎやすいといった配慮から、ロングバージョンが大きな特徴です。70年代には20分近いのもあったのです。80年代に入ってから7分前後が普通になってきましたが、惜しげもなく全部を収めているCDというのは、これはこれで貴重なわけです。

Classic Alternatives

Classic Alternativesカナダ国トロントのSPGレーベル盤の12インチ(ロングバージョン)のCDコンピ。純然たるディスコとはいえないかもしれないが、以前に紹介したMen Without Hatsと同様、踊りやすい曲が満載なので選びました。

表紙に見えるとおり、本当にレアな12インチが並んでいます。カルト、イエロー、アイシクル・ワークス、ステファン・ティン・ティン・ダフィ…。普通のアルバムバージョンならけっこうありますが、12インチについては、ほかのCDではめったに見かけません。

米国アマゾンで手にいれたのですが、特筆すべきは3枚組みで2000円もしないという価格でした。音ははっきり言って「よくない」方ですが、その珍奇性と価格で「買い」のCDだと思います。

思えば、80年代前半から半ばにかけては、本当にいろんなジャンルの曲がディスコ空間で多重奏を奏でていました。もともと黒人系ダンスミュージックの権化のようなマイケル・ジャクソンやアース・ウインド・アンド・ファイヤーはもちろん、メン・アット・ワーク、マドンナ、ジャーニー、クラッシュなどなど、選曲はまったく節操がなかったのです。

この時代、ビルボードチャートに入っていた曲のほとんどは「踊れる」曲だったという記憶があります。やはりシンセやリズムマシーンなどの電子楽器の発達が背景にあると考えられます。テンポが正確な上、キックやメリハリが利いていて、ステップを踏みやすいという特徴があるからです。

このCDは、そんな80年代でも英国やカナダのニューウェーブ系のアーチストが顔をそろえています。YESの「オーナー・オブ・ア・ロンリーハート」で有名なトレバー・ホーンがプロデュースしたプロパガンダの「Pマシーナリー」や、ヒット曲「エノラゲイの悲劇」で知られるOMDの「イフ・ユー・リーブ」の12インチバージョンなんかも入っています。とにかく貴重です。

SPGの「Aternative」シリーズには、「Clasicc Alternatives Vol1〜3」とういうシリーズもあり、これも低価格で秀逸です。特にVol2に入っているロミオ・ボイドの「ネバー・セイ・ネバー」は思い出の曲。札幌の大箱ディスコでは、B-52'sの「プライベート・アイダホ」や英国スカ系のスペシャルズ「リトル・ビッチ」あたりの高速テンポの曲とセットでよくかかっていました。40歳直前になった今は、踊ろうとしても、もう動悸、息切れが激しくなって、体がついていけそうもありません。

黒人も白人も、ロックもパンクも。「ごった煮」状態の80年代ディスコを象徴するCDでもあります。

ボーイズ・タウン・ギャング (Boys Town Gang)

Boys Town Gang日本では「君の瞳に恋してる」があまりにも有名なBTG。でも、世界的にはほかにもいくつかディスコの名曲を残しています。このCDは後に発売された国内盤ベスト(ビクターエンタテインメント)よりも収録曲数が少ないのですが、Disco Kicksのロングバージョンが入っていて貴重です。でも、ベスト盤よりも珍しいとはいえ、中古CD屋では300円とかで売られているところが悲しいのですが。

BTGについては、スリー・ディグリーズのカバー「天使のささやき」が好きな曲です。チャートインはしなかったものの、哀愁誘うメロディーが耳に残る逸品です。このCDにもベスト盤にも入っています。数年後、マグダ・レイナという女性もこの曲をカバーしていて、米ディスコ・チャートでは53位に入る健闘を見せています。日本のディスコでもよくかかっていました。

レーベルはMoby Dick。米サンフランシスコに拠点を持ち、ハイエナジー系の曲をよくリリースしていました。代表的なのはSex DanceやRocket To Your Heratで有名なLisaですが、ヒッピーやボヘミアンが多く集まるSFの自由な土地柄もあり、ゲイ・アーチストが多数、関わっていました。80年前後のヒットメーカーであるパトリック・カウリーもその一人で、American Dream(演奏アーチストはHot Posse)というヒット曲をこのレーベルからプロデュースしています。

このパトリック・カウリーは残念ながら、82年、ほかの多くのディスコアーチストと同様、エイズで亡くなってしまいました。ボーイズタウンギャングのプロデューサーのビル・モトレー(Bill Motley)も86年、エイズで亡くなっています。今と違って、「ゲイがエイズに感染する」というケースが多かった時代でした。フリーセックスとドラッグという快楽主義に彩られたディスコは、エイズの広がりとともに死んだとも言われています。

ディスコ文化は、こうした「しゃれにならない」ことは致命的です。「底抜けにおばか」でいられるうちが華なのです。日本のバブル経済期後半、東京六本木の「トゥーリア」で起きた、死傷者を何人も出した機材落下事故にも、同様のことが言えると思います。快楽主義とは、線香花火のようなもので、夢の火種がぽとりと落ちると、一気に暗くなってしまうものなのです。

「君の瞳…」は、私が7、8年前、ダンスクラシック系のパーティーDJをやっていたときにも、よくラストにかけていました。だって必ず盛り上がるんですから。狂喜乱舞状態になる。そんなラストシーンが決まった後、ゆるいスロー系の曲に変えて、照明を明るくして…。「宴の後」は、心地よさとともになんだかもの寂しさも漂います。踊り狂った自分を少し気恥ずかしく思ったりして。一気に日常に引き戻されます。

ディスコは、ばか明るくて楽しいだけではない。いくばくかの哀しみもたたえているからこそ、人の心にいつまでも残るのだと思っています。

Moby Dickレーベルの関連ページ

Modern Rocketry

Modern Rocketry「非常ベル?火事だべか?」Modern RocketryのI'm Not Your Stepping Stoneが札幌のディスコでかかり始めた1983年ころ、一緒にいた友人は思わずこう叫んだ。威勢の良いシンセドラムに混じって時おり流れる非常ベルに似た効果音は、不思議な感覚を呼び起したものだった。超絶おばか異空間のディスコで、本当に火事など起きたら大変である。実際、外国では火事やら暴動やらが起きて死人も出たことがあるから、しゃれにならない。その後、盛り上げ時間帯の定番になって、何度も耳にするようになってからも、「ベル」が鳴ると変な感じがしたものだ。

この曲は、音作りの点で強いインパクトがあった。たたみかけるようなビート、メリハリのあるボーカル。「非常ベル」だけではなく、シンセサイザーの色んな音が織り込まれていて、踊りやすさは群を抜いていた。レコード会社は、シルベスターやパトリックカウリーがいくつものディスコヒットを制作したメガトンレーベル。このレーベルは後半、けっこう似たような曲を多く発売してマンネリ化したのだが、Modern Rocketryは、ボーカルが英国のニューウェーブっぽくて、ちょっと異質で面白い。とにかくシンセ音に迫力がある。古さは感じさせるが、90年代以降のハウスやテクノの「洗練されすぎた」電子音に拒否反応を示す私のようなレトロ人間にとっては、それぐらいがちょうど良いのである――。

写真はUniciscの数年前の再発盤。残念ながら「Stepping Stone」はロングバージョンではありませんが、ほかの曲も聞き応えがあります。音質が良好なのは◎。インターネットでまだ比較的容易に手に入ります。

Men Without Hats

Men Without Hats私の持論では、ディスコとは、「四つ打ち」に代表されるような、明確で重いバスドラムビートにメロディーを乗せたダンス曲、またはこうした曲をDJがかけて客に専用フロアで踊らせる飲食店のことを言います。店舗としてのディスコでかかる曲を総称して「ディスコ」と呼ぶ場合もあります。

中心となる時代は70代半ばから80年代後半まで。日本では、80年代後半にマハラジャ的なユーロビートが失速して、バブル経済ともども、終焉を迎えました。有名な「ジュリアナ東京」や「ゴールド」といったディスコ店は90年代に入ってからも生き残りましたが、ほんの一時期の出来事でした。

白人でも黒人でも黄色人種でも、ディスコの曲を発表したミュージシャンはいます。最も重要なことは、「ディスコミュージック」というジャンルや「ディスコの曲」はあっても、「ディスコミュージシャン」というのはほとんど存在しないということ。

「ディスコの曲」を作ったアーチストということでいえば、ローリングストーンズ、ビーチ・ボーイズからバーブラ・ストライザンド、エルトン・ジョン、ジェームズ・ブラウンまで、あらゆる人々が含まれます。例えば、カナダの著名ロックスターのブライアン・アダムズはTake Me To The Dancingというディスコ曲で事実上のメジャーデビューを果たし、ビルボードのディスコチャートにも入りました。彼はそれを恥と思っていて、自分のベスト盤には入れていません。けっこう軽快でいい曲なのにねえ。

ディスコは単純に言えば「踊れる」曲のことですから、このMen Without Hatsの曲群も立派なディスコです。いいんですよ、これが。シンセサイザーをうまく使った面白系のテクノポップ・ディスコに仕上がっています。

83年にビルボードのポップチャートで3位にまで上がった「セーフティ・ダンス」は有名ですが、ディスコでは「リビング・チャイナ」(テンポがめちゃめちゃ速い)、「ホエン・ドゥ・ザ・ボーイズ・ゴー」がけっこうはやりました。私が上京直前の84年ごろ、札幌の往年の名店「釈迦曼荼羅」なんかで超人気曲だったものです。リードボーカルのイバン・ドロシュクの声がなんだか変な低音で、不思議な魅力がありました。

あと、ポップ・ゴーズ・ザ・ワールドも歌詞は「私たちはポップを奏でる音楽家で〜す。さあ踊ろう」みたいに軽くて「おばか」な曲なのですが、それこそディスコの真骨頂。楽しく踊れりゃいいという典型、見本を見せてくれていました。

I Love Disco

I Love DiscoこれもスペインBlanco盤の80年代ディスコ集。3枚組。欧州で流行するディスコは70-80年代当時、シンセ多用のミーハー系が多かった。ジンギスカンやアラベスクやドゥーリーズなんかも欧州です。イタリアについては、ユーロビートの一大拠点でした。ディスココンピも、白人ミーハー系であれば、欧州産が全般的に良い内容になっているようです。

このCDには一般的なヒット曲も含まれていますが、特筆すべきはレアな曲が多いこと。C.C.CatchとかMax HimとかMy MineとかTwinsなど、80半ばに頻繁にディスコでかかっていたにも関わらず、CD化がされていたなかったものが収録されていてお勧めです。私自身はMy MineのHypnotic Tangoは哀愁系の逸品だと思います。

・・・ですが、今はこのCD自体が入手困難になってきています。中古でももし見つけられれば、購入する価値あり。ちなみに、Vol2、3もすごくいい。Vol3には、シルベスターやデッド・オア・アライブなどのお馴染み系に混じって、CD初収録のForrest「愛の航海」やRofoの「Flashlight On A Dancefloor」といった、これまでCD化されていなかった曲が目白押し。音質もまあまあ。ただ、曲と曲の間が短すぎなのが玉にきずです。

それと、世界では似たようなデザインの「I Love Disco」というタイトルのコンピレーションがいくつかあるので、混同しないように注意。ほかのコンピはたいしたことないです。

I Love Bobby ''O''

Bobby O80年代初期ディスコの一大ジャンルであった、ハイエナジーサウンドの代表アーチストのBobby O。ハイエナジーは70年代後半に出てきたリズムボックス打ち込み系が進化したもので、ユーロビートの前身と理解してよいと思います。世界のディスコサイトの権威であるDiscomusic.comなどによると、欧州や米国西海岸のゲイピープルに特に愛されていたようですね。私はストレートですが、こうした音は大好きでした。

Bobby Oには何枚かベスト盤があるのですが、このスペイン盤が一番お勧め。まず音が良い。ディスコの再発CDはとにかく音質が悪くて、私のコレクションで言えば、3割ほどはレコードから録音しています(プチプチ音がする)。その点、このCDはほとんどがマスターテープから入っていると思われ音はOK。知っている人は知っているShe Has A Wayのほか、Divine、Flirts(いずれもジャケット下に写っています)などの仲間アーチストが歌う曲が収録されています。中には、音質は悪いのですが、Pet Shop Boysの昔の曲も入っています(かつてBobby Oのプロデュースを受けていた)。

さらに、ほかのベスト盤に入っていないDancin'という曲が入っていることがポイント。この曲は当時の日本のミーハー系ディスコではよくかかっていました。このとき私は札幌にいたのですが、市内のディスコでよく耳にしたものです。

私にとっても基本盤です。ちょっと前、米国のアマゾンにレビューを書きました。Bobby Oは今、音楽業界の一線を退き、NYで弁護士をやってらっしゃるようです。17歳でデビューした天才ディスコ少年だったのですが、頭も良かったようですな。
CDのライナーノーツ書きました(広告)


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