The Real Thingブリティッシュ・ファンキー・ディスコの代表格ザ・リアル・シング。とりわけ「キャン・ユー・フィール・ザ・フォース」(1978年)はかなりの上げ上げチューンで、いまでも通用するフロアフィラーでありますな。

この曲は、発売とちょうど同じ年、全世界で公開された人気映画「スターウォーズ」の影響を明らかに受けています。歌詞は「体がふわっと浮き上がるような、不思議な力を感じないか〜い?」みたいな内容ですし、宇宙をイメージさせるような電気効果音もふんだんに使わています。

実際、曲名は最初「ゲット・ザ・メッセージ」だったのですが、リードボーカルを務めるエディー・アムー(Eddie Amoo)がスターウォーズを観に行ってすっかり感化されてしまい、発表直前に「キャン・ユー…」に代えてしまったそうです。しかも、彼らのアルバムのラストを飾る曲だったはずなのに、A面のトップに変更し、かつ12インチバージョンを収録したのでした。結果は大成功! 「キャン・ユー…」は本国英国のチャートで見事、トップ5に入るヒットを記録したのです。

リアル・シングは1970年代前半、英リバプールで結成された黒人ボーカル・グループ。リバプールといえば、60年代に世界の若者を熱狂の渦に巻き込んだ「ビートルズ」を始めとする「マージー・ビート(Mersey Beat)」で、一躍有名になりました。リバプールのシンボルでもあるマージー川に由来しているのですが、その地で生まれたロック音楽が、世界のポピュラー音楽に多大な影響を与えたのです。

実は、リアル・シングは、ビートルズとも関わりがあります。リーダーのエディーが60年代に所属していたThe Chantsというボーカルグループのバックバンドは、一時期、世界的に売れる前のビートルズだったのであります。ビートルズの特にジョン・レノンは、黒人音楽に強い関心があったとされますけれども、The Chantsとの共演からも音楽的な刺激を大いに受けていたのでした。

ところで、彼らの最初のヒットは「You To Me Are Everything」(76年、英チャート1位、米R&Bチャート28位)というミディアムスロー。この曲を耳にすると、シンガポール(!)のディスコ青春映画「フォーエバー・フィーバー」(1998年)を思い出します。この曲のリメイク版が、映画挿入歌として頻繁に流れていたのでした。映画自体、ストーリー展開が意外に面白かったのを覚えています。ただし、サントラ(写真下右)で聴くと、その薄っぺらいリメイクぶりがもろに分かってしまい、少し泣けてきました。

リアル・シングのCD化具合はまずまず。写真(上)の2枚組みベストが最も網羅的で充実しているかとは思います。

…さて、地味〜にスローペースで続けてきたこのブログも、もうスタートして2年が過ぎ、投稿190回を超えてしまいました。本業も相変わらず忙しいだけに、さすがに息切れしてきました(トホホ)が、まだまだ取り上げたいCDがたくさんあるのは事実であります。それに、本業では比較的真面目な(?)原稿を書くことが多いため、お気楽本舗な「独り言ブログ」の執筆は、実は楽しいものであります。

こうした中、本業でひじょ〜に珍しくディスコ関連の記事をちょっと書きました(「新潮45」5月号)ので、よかったらお目をお通しください。内容はバブル時代の事件簿モノで、タイトルは「ボディコンが青ざめた巨大ディスコ・トゥーリア『正月の惨劇』」(!)であります。ディスコなどというおバカ大熱狂空間では、やっぱり死亡事故を起こしちゃうと洒落になりませんね、というお話です。

そういえば、16年ぶりに地価が高騰し始め、巷は再び「バブル前夜」だとか。「ええっ!?日立も、サッポロビールも、外資系に買収されちゃうって?」てな事態も沸き起こっているようです。目先の欲の前に、人はなんと脆いものか。「戦国最強の将」といわれた上杉謙信が、志半ばで病に斃れる直前、こんな句を遺しました。「四十九年 一睡の夢 一期の栄華 一盃の酒」。バブルもディスコも、けだし儚き“夢”なのであります。

Forever Fever