David Bowie80年代に突如、変貌した英国グラムロックの旗手デヴィッド・ボウイ。ディスコ的には、どう考えてもアルバム「レッツ・ダンス」(1983年)であります。シングルカットされたアルバム同名曲「レッツ・ダンス」は、全米ポップ(一般)チャート1位を獲得。ディスコチャートではなんと6週連続1位という金字塔でした。

確かに、レッツ・ダンスは、ラジオでディスコで、よ〜くかかってました。「あ〜あ〜あ〜」という男性コーラスから入るイントロを聞くと、「またかよ」って気分。加速度的に踊る気力が失せてしまったものです。だって、何だか曲調がトロくてウスいと思うのです。でも、大ヒットしたからかかっていた。曲名も曲名だし。それで、フロアでも女子を中心にそこそこ人気もあったわけですが、賛否両論な感じでしたね。

しかし、このアルバム自体は私だって好きです。ほかの収録曲が花を添えていました。特に1曲目「モダン・ラブ」はよかったなぁ。(札幌の)ディスコでも聞きました。BPMが約190とメッチャメチャ速いので、今なら息切れして仮死状態になることウケアイですけど、当時はみんなで汗だくになって、忘我の境地をさまよったものです。

さらに、2曲目の「チャイナ・ガール」もよかった。レッツ・ダンスに続いてシングルカットされ、全米ポップ10位(ディスコは最高51位)まで上昇した曲ですが、適度にアップテンポで踊りやすい曲調でした。

プロデュースはデヴィッド本人と、シックのナイル・ロジャース。やっぱりディスコなラインナップです。ナイルさんはギターでも参加していまして、アルバム収録曲の随所に、小出しながら「シックっぽさ」も滲んでいますね。

大御所のデヴィッドさんには大変失礼なのですが、これ以外のアルバムは私にとっては大NGであります。カルトでアバンギャルドで、「もう〜わたくしなどにはとてもとても」ついてゆけません。とりわけ70年代の「まゆなしメイク」のころは最高潮に拒否反応なのであります。このあたりは、正統派のロックやパンクのファンにお任せしま〜す。

というわけで、何だか急にポップで聴きやすくなったデヴィッド・ボウイの“奇作”「レッツ・ダンス」は、私のCDコレクションにしっかり名を連ねているのであります。自宅でけっこう、好きでかけています。