Santa Esmeraldaサンタ・エスメラルダ(写真)は、リロイ・ゴメス(Leroy Gomez)率いるディスコグループ。アニマルズのヒット曲のディスコリメイク「悲しき願い」(1977年)が何と言っても有名です。全米ディスコチャートで4位まで上昇したほか、欧州、アジアなど世界中で大ヒットを記録しました。

リロイは米国出身。もともとはサックス奏者で、「愛のディスコティック」や「モア・ザン・ア・ウーマン」などのディスコヒットで知られるタバレスのツアーメンバーでした。まず70年代中盤、ソロで「Here We Go Around」をフランスでヒットさせた後、エスメラルダを結成して「悲しき願い」をリリースし、これが当たったわけですね。

ちなみに、この曲のアレンジャーはドン・レイ。私も大好きなのですが、自身でも「Got To Have Loving」(78年)という、非常にノリの良いアッパー系ディスコヒットを飛ばした人です。

エスメラルダは言うまでもなく、70年代ディスコシーンの一つの主流をなす「陽気で明るいラテン系」の代表格。そのフラメンコ風でカスタネット満載の曲調を耳にした途端、老若男女を問わず、誰もが情熱的なスペイン人になって踊り狂ってしまいます。

彼らにはもう一つ、もろラテンな「Sevilla Nights」というディスコヒットもあります。イントロからして「悲しき願い」とそっくり。インストでして、もう少し落ち着いた曲調です。お約束のカスタネットが小気味よく入ってきて、耳をくすぐります。

この曲は、「サタデーナイトフィーバー」と並ぶディスコ映画「イッツ・フライデー」の2枚組サントラにも収録(過去投稿を参照)。ごきげんなラテンナンバーって、この手の映画には欠かせませんな。

ところで、実はこの映画、ようやく最近、日本でもDVD(写真下右)が発売されました!。私自身、嬉し涙がいまも止まりません。なぜなら、この映画は「フィーバー」よりももっとディスコ的だと思っているからであります。

とにかく最初から最後までおバカさんで、間抜けで、かつ“ラテン”。実際に、エスメラルダ以外にも、ラテン系ディスコが何曲も使用されております。「フィーバー」で感じられるような、社会性やメッセージ性や若干の暗さは微塵もなく、潔いほどです。

当時のディスコの雰囲気を純粋に味わうなら、こっちの方がお奨めですね。売れる前のジェフリー・ゴールドブラム、デボラ・ウィンガー、それにキュートな10代のテリー・ナン(後のベルリンのボーカル)も出演しています。

エスメラルダのCDは、単発リリースのアルバムからベストまでけっこう出ています。写真上は、カナダのUnidiscから発売されている、「悲しき願い」など5曲入りの単発アルバム「Don't Let Me Be Misunderstood(悲しき願い)」です。

待望のDVDの方は価格1500円弱とお安く、これまた嬉しい。ただし、来年1月末までの限定販売だそうです。It's Friday