I Love Disco Emotions夏本番、今回はいきなり独断と偏見の「インストディスコ ベスト10」を発表したいと思います。歌がないインストゥルメンタルのダンス曲って、「クラブ」になってからはけっこう聞くようになったのですけど、「ディスコ」では意外と聞きませんでした。個人的にもあまり好きではないのですが、中にはヨロシイのもあるわけで。以下、順に紹介していきます。


1. My Sweet Summer Suite (Love Unlimited Ochestra)76年
オーケストラディスコの巨匠バリー・ホワイトの名曲。12インチだと、長いイントロから突然、ストリングス中心のアンサンブルが元気よく展開。調和の美を感じさせます。なぜか、朝、寝起きに聴いてもぴったりな曲。

2. Rock It (Herbie Hancock) 83年
インストとしては私が最も気に入っている曲の一つ。最初に聴いたときは、とにかく斬新な音作りに驚いたものです。エレクトロ・ファンクの王様といっても過言ではありません。インストディスコとしては現在でも最も頻繁に聴く曲。

3. Soul Power (Maceo) 73年
チト古いのですが、多少の思想性があって個人的に好きな曲。J・ブラウンのバンドJB'sの名サックス奏者メイシオ・パーカーであります。曲後半、黒人解放運動家キング牧師が暗殺前日に行った有名な演説が入ってきて感動です。

4. Beat Box(Division 1) (The Art Of Noise) 83年
トレバー・ホーンで有名なZTTレーベルの代表的ディスコ。全米ディスコチャートで2週連続1位となりました。言うまでもなくシンセサイザー使いが特徴的。曲名のとおり、ビートがしっかりしていて踊りやすいのが高評価です。

5. Star Wars (Meco) 77年
その名の通りスターウォーズのディスコ版。商業ディスコの典型といわれますが、聴いてみると、シンセ使いが重厚でノリも良く、踊らされます。圧巻は16分弱ある超ロングバージョン(LP収録)。変化に富んでいて飽きさせません。

6. An American Dream (Hot Posse) 81年
パトリック・カウリーが初期のモビーディックレーベルに残した変な曲。たぶん大ヒットしたスターウォーズ(↑)の真似だと思われますが、ノリが大変よろしい。ちょっと古めのハリウッド映画っぽいお茶目な(?)メロディーが特徴です。

7. I Love The Piano (Kasso) 84年
今でも地味に人気がある、イタロディスコの珠玉的インスト作品であります。この人の曲はシャカタクをもう少しビート中心にした感じで、ピアノの音がカッコいい。ほかにも「Walkman」などのインスト名曲があります。

8. Chase (Giorgio Moroder) 78年
お約束のジョルジオ・モロダーからはこの曲を入れました。幻想的なシンセディスコの定番。2000年にリメイク曲が全米ディスコ1位獲得。「うねうね、グリグリ、もにょもにょ」のスペイシーな世界が全面展開いたします。

9. Spring Rain (Silvetti) 77年
有名すぎるガラージ・クラシックの一品。前述ラブ・アンリミテッドにも似た正統的オーケストラサウンドであります。いかにも70年代のピアノ、ストリングスと「あ〜あ〜」のコーラスがいい感じ。癒し系ディスコでもあります。

10. Droid (Hypnosis) 87年
80年代後半モノから1曲。80年代前半からイタリアを中心に活躍したテクノ系バンドで、Pulstarなどのヒット曲あり。しっかりしたビートと曲構成が持ち味で、この曲は「朝まで生テレビ」の挿入曲としても使用されていました。

次点:
New York Is Moving (Ahzz) 81年
ギターとキーボードのリフがやけに印象的。賑やかな盛り上がり系の名曲
Spanish Hustle (Fatback) 76年
メジャーなディスコバンドの珍しいインスト曲。ラテン調のダンクラ定番
The Hustle (Van McCoy) 75年
ベタですがやっぱり名曲。初期ディスコの立役者の故マッコイさんの代表作

そのほか:
Machine Gun (Commodores、74年)、Pick Up The Pieces (AWB、74年)

まだまだ、入れたい曲は多いのですが、この辺にとどめておきます。I Love The Pianoをのぞいて、いずれも12インチバージョンがCD化されております。

写真のCDはインスト・ディスコのコンピ「I Love Disco Emotions」で、これがなかなか面白い。スペインの「Blanco Y Negro」という、ディスコのコンピCDを大量に発売しているユニークなレーベルの一作です。この中には、Giorgio Moroder「Chase」やKasso「Walkman」、それにHarold Faltermeyer「Accel F」(これもなかなか名曲ですな)の「88年ニューバージョン」など、珍しい曲が数多く収録されていてオススメですね。