The very, very, very best of 70s Disco久ぶりのコンピ盤(2枚組)です。「ベリー、ベリー、ベリー」と3回も繰り返していてくどいのですが、一見すると内容は凡庸です。

ビレッジ・ピープル、ボニーM、ドナ・サマー、ケリー・マリー、アマンダ・レアなどなど、泣く子も黙る一般的ディスコ・ミュージシャンが目白押し…ではあるのですけど、何だか気になる曲もたくさん収録されている。Luv、A.I.E.、Ganymedなど、なんともみたことも聞いたこともないケッタイなアーチスト名も見えます。

いちおう今回は曲目リストを。↓

Disc: 1
1. DISCO - Ottawan
2. Funkytown - Lipps Inc.
3. Daddy Cool - Boney M
4. Walk In The Park - Straker, Nick Band
5. Born To Be Alive - Hernandez, Patrick
6. Disco Bouzouki - Bouzouki Disco Band
7. Automatic Lover - Jackson, Dee D.
8. Trojan Horse - Luv
9. I Lost My Heart To A Starship Trooper - Brightman, Sarah
10. Dear John - Teach In
11. Shame Shame Shame - Linda & Funky Boys
12. I Can't Stand The Rain - Eruption
13. Rock Your Baby - McCrae, George
14. Red Light (Spells Danger) - Ocean, Billy
15. Looking For Freedom - Seaberg, Marc
16. Heaven Must Be Missing An Angel - Tavares
17. You To Me Are Everything - Real Thing

Disc: 2
1. Disco Stomp - Bohannon, Hamilton
2. Don't Let Me Be Misunderstood - Santa Esmeralda
3. From Here To Eternity - Moroder, Giorgio
4. Que Sera Mi Vida - Gibson Brothers
5. Knock On Wood - Stewart, Amii
6. A.I.E. (Mwana) - Black Blood
7. In Zaire - Wakelin, Johnny
8. It Takes Me Higher - Ganymed
9. Kung Fu Fighting - Douglas, Carl
10. Queen Of Chinatown - Lear, Amanda
11. Lady Marmalade - Gilla
12. YMCA - Village People
13. Black Is Black - Belle Epoque
14. Fells Like I'm In Love - Marie, Kelly
15. I Love To Love - Charles, Tina
16. I Feel Love - Summer, Donna
17. Get Dancin' - Disco Tex & The Sexolettes

よく見ると、このコンピはドイツ盤で、曲はどれもが欧州発「ユーロ・ディスコ」に関連するものばかりでした。そう認識した上で聴き直してみると、けっこう一貫性があります。曲調は「爽やか」あり、「哀愁」あり、「お子様風」ありのキャンディポップ系が目立つ。あるムキの人はこれを「歌謡曲」と言うなどして差別化を図るのでしょうが、私は何だか聴いててスキになってきました。

こうしたキャンディ風ディスコは、米国ではあまり相手にされませんでした。ほとんどがディスコでもマイナーなアーチストですし。でも、曲自体は欧州と日本のフロアでは高い人気を誇っていました。このコンピには、例えばオッタワン「D.I.S.C.O」、ジョニー・ウェイクリン「イン・ザイール」のように、米国チャートではほぼ無視されても、欧州各国のチャートでは堂々トップ10に入ったものも入っています。

ほかには、イラプション「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」、ニック・ストレイカーバンド「ア・ウォーク・イン・ザ・パーク」、「SOS」で有名なディー・ディー・ジャクソンの初期のヒット「オートマチック・ラバー」あたりが注目曲でしょうか。

いずれもシングルバージョンではありますが、ほかのCDではめったに見られない構成なので貴重な方だと思います。70年代後半のユーロディスコの空気を感じたいのなら、このへんのCDが良いのではないでしょうか。