Shannonシャノンといえばレット・ザ・ミュージックプレイ(83年)。同名アルバムからの初シングルカットです。ビルボードPOPチャートで8位まで上昇、ディスコチャートでは6週1位に輝いています。エレクトロポップ/ファンクの黎明期の代表作ですね。一般的にはこの曲の「一発屋」扱いなのですが、実は、ディスコ的にはこれ以降の方が良い曲が多いように思われます。

ディスコチャートをみると、2枚目のシングル「ギブ・ミー・トゥナイト」(84年)、さらに2枚目のアルバム「Do You Wanna Get Away」からの同名曲のシングルカット(85年)も1位を獲得。余力がかなりありました。

特にアルバム「Do You…」の曲群は、デビュー作と比べてゴテゴテしたエレクトロ感が少し薄まり、R&Bの要素も取り入れられていて、ぐっと充実しています。ダンスミュージックとしてはタイトル曲が一番よいのですが、一緒に入っているフォリナー「アージェント」のリメイクも、サックスの音色が印象的な、非常に良い仕上がりの曲です。

私の行ったディスコでは、「レット・ザ…」は折にふれかかっていました。12インチバージョンは、イントロのうねうねしたシンセ音が印象的です。「おぉっ!始まるな」って感じです。デビューアルバムに入っていた「One Man」も元気が良くて好きな曲でした。短いバージョンしかないのですけど、ディスコではけっこうかかっていました。米アマゾンのレビューなどを見ていても、この曲を好きな人は多かったようです。

シャノンはベスト10入りしたアーチストにも関わらず、CDはあまり充実していません。デビュー作、2枚目ともに長く廃盤状態で、米国のオークションなどでは高いときで2万円近くします。私もアルバムはLPでしか持っていません。「そこまでの価値があんのか?」との声が聞こえてきそうですが、まさにその通りですね。「マニアだけが欲しがる廃盤」でしかなく、本当ならワゴンセール並みの扱いだと思います。

写真のCDは初期の2枚のアルバムのおいしいところが収録されたUK製ベスト盤。まだ比較的手に入りやすい上、音質が非常に良くておススメです。ただし、12インチバージョンは入っていません。

このCDのライナーノーツによると、シャノン(本名・ブレンダ・シャノン・グリーン)は、もともとニューヨークで歌と踊りを学んでいたようです。彼女のコメントとして「特にダンスには自信があるの!」なんてことも言っていますから、一度見てみたかったものです。「レット・ザ…」については、当時のMTVでは放映されたんでしょうけど、私は見ていません。