Luther Vandross Bestルーサー・ヴァンドロスは歌が上手いことで知られています。1981年にアルバム「ネヴァー・トゥー・マッチ」でソロデビューするまでは、「チェンジ」や前に紹介した「ハイ・グロス」のボーカルとして活躍していました。

ほかにも、シェリル・リン、ディオンヌ・ワーウィック、ジャネット・ジャクソン、マライア・キャリーなどとデュエットでヒット曲を出しています。デヴィッド・ボウイのアルバム「Young Americans」にもバックボーカルとして参加しています。一流どころからしょっちゅう「助っ人シンガー」として声がかかるぐらい、声が良かったということです。

ディスコ的には、アルバム「ネヴァー・トゥー・マッチ」のタイトル曲や、同じアルバムのアップテンポ気味の「シーズ・ア・スーパー・レディー」が本当によくかかっていました。最適の時間は夜中過ぎのスモールアワーズ(午前3時ごろまで)ですね。

フロアであの甘〜い声とゆるいリズムに身を任せるも良し、踊らないでゆったりとグラスを傾けるも良し、とべたぼめしておきます。まさに大人向けですな。

英BBCサイトのアーチスト情報などによると、ルーサーは1951年にNYブロンクスに生まれ、10代のころには既に、ハーレムのアポロシアターで歌っていました。1969年にはなんと、TV番組「セサミストリート」の第1回放送に出演したそうです。

残念ながらルーサーは昨年7月、03年に起こした脳卒中がもとで帰らぬ人になってしまいました。享年54。

ルーサーのCDは大量に出ていますが、ベストであれば03年発売のソニー盤2枚組「The Essential Luther Vandross 」(写真上)がおススメ。死の直前に彼自身が選曲したもので、音質も最高です。もう一つ、12インチの4曲を集めた「Twelve Inch Mixes」というCDもいい。「ネバー…」のほか、CDでは入手しにくい「イッツ・オーバー・ナウ」(85年)などが収録されています。Luther Vandross