Hi-Gloss年末、本業が鬼のように忙しくなっておりまして、こんなときはユル〜い系も聴きたくなります。そこで今回はHi-Gloss。曲はもちろん、ユール・ネバー・ノウ(You'll Never Know、81年)であります。ビルボードのチャートアクションは、ディスコ部門で最高31位とたいしたことはないのですが、その哀愁調で完成度の高い旋律から、80年代を代表するメロウ・ディスコ・クラシックとなりました。

この人たちは、ディスコ時代に数多く登場したスタジオ・グループの一つで、仕掛け人としてのプロデューサーはGuiliano Salemi氏。男女ボーカリストの中には、あのルーサー・バンドロスもいました。

アルバムは写真のYou'll Never Knowのみ。全5曲入りで、ディスコ関連の著名レーベル「プレリュード」盤です。

じっくり聴いてみると、「You'll…」以外の曲もなかなかよい。特に3曲目のアップテンポダンサー「Cash」なんて、70年代末期のディスコ全盛の音を彷彿とさせます。ホーンセクションの「パッパパパ!」、パーカッションの「カンカラカン!」、それに小気味良いボーカルがうまく絡んでいるんです。

だけど、発売は81年だから、当時としてはちょっと古い音だったかもしれません。旧来型のディスコであって、80年代の特徴であるシンセ音がほとんど聞こえてきませんから。このあたりが「You'llのみの一発屋」で終わった原因かも…と思います。

ともあれ、You'llはさすがに気持ちがいい。仕事も脳みそも煮詰まる深夜などに聴くと、ほどよくクールダウンできます。

ただし、実際にこの曲で踊るのはちょっと難しいのです。こういったメロウタッチの曲のリズムに、うまく体の動きを合わせられればかなり格好いいのですが、そういう人をフロアで見かけることはあまりありませんでした。

このアルバムはCD化もされていて、比較的容易に手に入ります。「You'll」だけを聴きたければ、下右写真の「クラシック・メロウ・マスターカッツ Vol.1」がやはり良い。You'llだけでなく、ケニー・バーク「ライジン・トゥ・ザ・トップ」などのミディアム・スロー系の名曲が、いずれも12インチバージョンで楽しめます。Classic Mellow Mastercuts Vol.1