Yazoo80年代前期に花開いたシンセ(エレ)・ポップのディスコ。文字通りシンセ音が満開である。最初に紹介するという意味で、ヒューマンリーグかヤズーかデペッシュ・モードが迷ったが、やはりディスコブログだからまずはヤズーだと思った。

ディスコミュージックは80年代に入ってガラッと変わったことは既に述べた。フロアに置かれた巨大スピーカーからがしがし響いていたのは、それまでの生ドラムではなく、もうほとんどがドラムマシーンだった。

はっきり言って、踊るならドライでキック(めりはり)の聞いた電気ドラムの方が生モノより合っていると思う。最近の楽器はものすごく進歩していて、クラブでかかる特にテクノなんてすごいキックであるけれども、私にとっては、チープさが漂っていた80年代の音の方が断然、人間くさくて体にしっくりくる。

ヤズーは、デペッシュモードにいたシンセダンス音楽の名手ヴィンス・クラークと、黒人R&Bかと思うような歌唱力を誇ったアリソン・モイエの二人組。当時のニューウェーブとかシンセポップは、歌がけだるくて、下手なのが多かったのに、アリソンは秀逸だった。ミスマッチな感じが、迫力につながっていたのだと思う。

やっぱり、踊る上でも、歌唱力があった方が断然よい。好きではあるのだが、ニューオーダーとかソフト・セルの歌なんて、ちょっと聞いてられなかった。

ヤズーはその「ミスマッチ」ゆえか、2枚のアルバムを残して3年ぐらいで解散してしまった。ヴィンス・クラークは、Erasureというバンドで引き続きダンスミュージック界に君臨したものの、ソロになったアリソンはいくつかヒットを残した後、中途半端なまま表舞台から消えていった。

でも、二人はDon't GoとかSituationとか、80年代ディスコの名曲をいくつか残している。特にDon't Goはのっけから「パンチがきいた」アップテンポな曲で、みんなで激しく踊ったものだ。アルバムも何度も何度も繰り返し聴いた。いま聴いても、古さをまったく感じさせないほどである。

ヤズーのCDを買うなら、最初はやっぱりファーストがおすすめ。しかも、写真のイギリス盤が良い。Situationと、幻の名曲といわれるThe Other Side Of Loveのそれぞれ12インチバージョンが収録されている。