Brass Constructionブラス・コンストラクションは、「ファンクとディスコの融合」を実現したパイオニアであります。写真のデビューアルバムかつ代表作の「ブラス・コンストラクション」は、ディスコブーム初期の1975年の発売ながら、完成度はピカ一といえるでしょう。

主役は、ボーカルやキーボードを担当したランディー・ミュラーという人物。ニューヨークのブルックリンでまず「ダイナミック・ソウル」というバンドを作り、後にメンバーを募って9人編成の「ブラス」を結成したのでした。

デビューアルバムの代表曲は、何と言っても「ムービン」ですね。76年初頭に全米ディスコ、R&Bチャートともに1位を獲得いたしました。9分近い長尺モノですが、のっけから「これでもか!」とばかりに、ふぁんきーふぉんきーに攻め立てます。

ファンク路線とは言いつつも、それまでによくあった、いわば前回紹介した「マンドリル」的な、泥臭さはぜんぜんありません。ホーンセクション、ギター、キーボード、ドラム、コーラスが見事に調和し、スタイリッシュでソリッドな音を大放出しております。

電子音は少なめ。いやまあ、私はシンセの音が好きだと(くどいほど何回も)言ってきたわけですが、この人たちのいけいけファンキーディスコは凡百の70年代ディスコとは別物であり、誠に大好きであります(久しぶりにベタ褒め)。

ムービンのほかは、「チェンジン(Changin')」(ディスコチャート3位)も名曲であります。ムービンよりもやや抑制的な曲調ながら、カッティングギターの音色が心地よく、ビートもしっかりしています。バイオリンも、随所にいい感じで入ってきます。

彼らは、このデビューアルバムの後も、80年代半ばにかけてほぼ毎年、アルバムを発表し続けました。けれども、そのどれもが、あまりに偉大だったデビューアルバムを凌駕するには至らず、やがて記憶の彼方へと埋没していくのでした。

ただし、77年に発売された「ブラスコン・ストラクション掘廚房録された、変なタイトルの「ハッ、チャッ、チャ(Ha Cha Cha)」(R&Bチャート8位)など、小ヒットながらもパンチの効いた佳曲はたくさん出しています。

ランディー・ミュラーは、プロデューサーが同じ(ジェフ・レーン)で音作りが似た“兄弟バンド”ともいえるB.T.エクスプレスのアレンジャーを務めたり、80年前後にサルソウル・レーベルからヒットを連発したグループ「スカイ」のプロデュースを手がけたりと、裏方としても実績を上げました。彼が主導したブラス・コンストラクションの功績も、ディスコ史にはしっかりと刻まれているのであります。