Parliament70年代から80年代にかけて活躍した企画モノの超どファンク集団であるパーラメントは、ゴリゴリ、コテコテの重量感が音楽的な持ち味。ステージ衣装もド派手で、特筆すべき暑苦しさであります。

中心人物は、「P-Funk(ピュア・ファンク)党総裁」を名乗り、変人ぶりをいかんなく発揮したジョージ・クリントン。それに、ユニークなベースワークで名を馳せたブーツィー・コリンズなどもいました。総勢でなんと約40人ものメンバーで構成しており、これで音に厚みが出ない方がおかしいでしょう。「踊りやすさ」という点では全体的に今ひとつですが、独特のリズム感、グルーブ感があります。

パーラメント結成は1956年にまでさかのぼります。代表曲は「フラッシュライト」(78年、R&Bチャート1位)とか「アクアブギー」(同1位)、「Tear The Roof Of The Sucker」(76年、同5位)など。後のヒップホップ界に与えた影響は計り知れず、後のアーチストに頻繁にサンプリングされていることでも知られます。

この人たちは、厳密には「ファンク」「ヒップホップ」のジャンルに属しているとされます。ジョージさん自身、ブームになったディスコを毛嫌いし、「ファンク」という名称に特段にこだわった人物でした。

けれども、特に70年代後半は、立派なディスコを世に送り出していたと私は思いますね。まず、必要以上にカネをかけたステージや衣装、それに大いに人を食った曲調のバカさ加減とインフレぶりが、いかにも過剰で確信犯的な「ディスコ」であります。70年代半ばからずっと、ディスコの名門レーベル「カサブランカ」に所属していたというのも、重要な点ではないでしょうか。

80年代以降は、奇想天外で無限の広がりを持った彼らのハイパーファンクも失速していきます。考え様によっては、ディスコとともに宇宙の彼方に消えていった、と言えなくもありませんね。しかし、体全体に染み込んでくるような黒人音楽の一つの象徴として、今もなお語り継がれているグループです。

ちなみに、ジョージさんは当時、パーラメントのリズムセクション部隊で構成した「ファンカデリック」、女性ボーカル部隊で構成した「パーレット」という下部組織グループも統括していました。いずれもディスコ/ダンス系のヒット曲を数多く出しています。

再発CDについては、相当なメジャーグループだけに、パーラメント、パーレット、ファンカデリックともに数多く出回っています。上写真のCDは、「フラッシュライト」を収録した77年のアルバム「Funkentelechy Vs. the Placebo Syndrome」であります。

今回、なぜパーラメントを紹介したかというと、彼らやディスコ音楽をテーマにしたかなり出来のよいドキュメンタリー番組の一部を、YouTubeで発見したからでした。近いうちに消される可能性もありますが以下、貼り付けておきます。