ファンキー・ビューロー前回からの流れでついでにファンキー・ビューローです。お馴染みの和製ディスコですが、これは凡百の和モノと比べると内容が充実していると思います。歌詞が英語だというのも、「なにかとダサダサ和製ディスコ」をあまり感じさせない理由でしょうかね。

プロデュースは、前回紹介のDr.ドラゴンのほか、「Desperately」のヒットで知られるラブ・マシーンという和モノグループも手がけたサトシ・ハッスル・ホンダ。リードボーカルは、(なぜか)ジャマイカ人のミッチェル・ブラックマンという黒人男性です。

ノリノリの「クラップ・ユア・ハンド」があまりにも有名でして、1977年ごろに全国のディスコで大ヒットしました。ドラムソロで始まるイントロはすこぶる印象的で、私もフロアでかなり耳にした覚えがあります。とくにロッキングダンスにはぴったりですね。ただ、正規12インチがないようなので、4分ちょっとで終わってしまうのが残念なところです。

このグループにはほかにも「ブギー・ウォーク」、「ディスコ・ジャック」、「ブギー・トレイン」といったディスコ曲がありますけど、「クラップ…」ほどの知名度はありません。けれども、いずれも曲自体は文字通りファンキーで、アレンジ、ボーカルも案外しっかりしています。全体的には「可もなく不可もなし」でまとめた雰囲気であります。

このグループが出てきた76〜77年というのは、世界でもディスコが「大ブレイク直前」といったところでしたので、なかなか先見の明があったとは思いますね。海外でも発売されたようですが、今ひとつの成績(というかほとんど無視)でした。

それでも、いまの海外のディスコマニアの中には、レコードを必死になって探している人もいるとかいないとか(いいかげんな表現)。というのも、ハッスル・ホンダのプロデュース作品、特にDr.ドラゴン、ファンキー・ビューロー、ラブ・マシーンは、海外のディスコサイトなどで熱烈に紹介されているのをたまに見かけることがあるからです。

ほかにも、1982年に発売された、ミッドナイト・パワーズという吉岡正晴プロデュースによる和製グループのビレッジピープル風の佳曲「イッツ・マイ・ライフ」が、下写真の米Importeレーベルのディスコ・コンピアルバム「Prime Cuts 1」(インスト、81年、アルバムとして米ディスコチャート8位)や米ディスコネット(Disconet)のDJ用12インチ・コンピアルバムに収録されている例がありますが、こうした日本発ディスコが欧米勢に混じってエントリーされること自体、非常に珍しいことではあります。まあ、いずれもインストだったり、外国人が英語で普通に歌っていたりするわけで、中身は外国産ディスコとほぼ変わりはなく、よくよくレベルなどを見なければ「和モノ」だということは分からないのですけどね。

写真のCDは、92年に発売されたファンキー・ビューローの国内盤ベスト。主な曲が網羅されていて、これ1枚あれば、「ファンキービューローは一丁上がり!」という感じです。レアということでもなく、中古店などで普通に見かけます。

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