2008年06月23日

オリビア・ニュートン・ジョン (Olivia Newton-John)

Olivia Newton-Johnオリビア・ニュートン・ジョンは、ビージーズと同様にイギリス生まれオーストラリア育ちです。元英国高級軍人の大学教授を父に、ノーベル賞を受賞した物理学者マックス・ボルン氏を母方の祖父に持つエリート家庭のお嬢様でもあります。

オーストラリアに住んでいた10代半ばのころ、故郷のイギリスに渡って新人歌手のオーディションを受けて合格しデビュー。以来、70年代を通してイギリス、アメリカ、オーストラリア、そして世界中で大人気のポップ、カントリー歌手、さらには女優として活躍しました。

アメリカでは、70年代はとりわけカントリー歌手としてもてはやされました。「アメリカ生まれじゃないのに!?」と反発の声も出ましたが、その歌声とルックスによって大ヒット曲を連発し、こうした疑問の声をかき消してしまったわけです。

70年代の代表曲は、日本でもおなじみの「そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)」(74年、全米一般チャート1位)ですね。「愛の告白(I Honestly Love You)」(同、同)もグラミー賞「レコード・オブ・ザ・イヤー」を獲得するなど、名曲の一つとして数えられます。

70年代後半になると、彼女の「可憐な隣の美人お姉さん」的なキャラにも陰りが見えてきて、セールスが落ちました。そこでイメージチェンジのため、青春映画「グリース」にジョン・トラボルタとともに主演し、活発な女子高生役を演じたところ、再びブレイク! サントラで歌った「You Are The One That I Want」(78年)で、ビルボード1位に返り咲いたというわけです。ただし、このころには既に29歳になっていたので、「女子高生役」にはかなり無理がありましたが。

キャラ変えを果たし、「今度はディスコだ!」というわけで、次にディスコソングをフィーチャーしたファンタジー映画「ザナドゥ」にも主演。サントラでは、彼女が歌った「マジック」が全米一般チャート1位、「ザナドゥ」が同6位になりました。

この映画が公開されたのは80年ですから、既にディスコは下火でした。でも、恐れを知らない彼女は、さらに肌を露出するセクシー路線へと急旋回し、ディスコ道を突き進むのです。

翌81年、彼女はアルバム「フィジカル」(上写真。邦題はちょっと意味不明な「虹の扉」)を発売し、これがとてつもない大当たりとなりました。シングルカットされたダンサブルな表題曲は、なんとビルボード一般チャートで10週連続1位! 2枚目のシングルカット「メイク・ア・ムーブ・オン・ミー」も5位まで上昇したのです。私自身はディスコに行き始める直前でしたので、フロアで聞いた記憶はありませんが、ラジオの深夜放送やFMなどからはしつこく流れていたのを思い出します。

このように遅ればせながら“ディスコ化”して、大成功した珍しい例ではありますが、この人の場合、80年代のアメリカではもう禁句となっていたそのものズバリの「ディスコ」をうま〜く回避したところに勝因があります。

ジャケ写真を見てお分かりの通り、ヘアバンド(ねじり鉢巻ではない)、レッグウォーマーに象徴される「エアロビクス大作戦」を展開したのですな。同時期に彼女が歌って踊る「フィジカル」のビデオも発売されています。同じダンスでも、「直球ディスコ」から、流行の「エアロビ」に微妙に座標軸をずらしたのです。

いやあ、これなら「ディスコだべ〜」と後ろ指さされないで済みます。実際、当時のアメリカでは、彼女の影響により、ヘアバンド姿のファッショナブルな男女が、街角のストリートにも溢れ出たと伝えられます。

けれども、オリビアさんの怒涛のような活躍も、だいたいここまでです。この後、セクシー路線が飽きられたり、結婚して子育てに集中したりして、セールスは急下降。ディスコ的にはアップテンポなシンセポップ「Twist Of Fate」(83年、ディスコチャート51位)などがあり、私も札幌のディスコで耳にしたことがあるのですけど、もはや往時の勢いを失っていきましたとさ。それでも、カントリー/ポップ時代、ディスコ(エアロビ)時代と大ピークが2度もあったわけですから、キャリア的にはこれで十分でしょうね。

90年代前半には、乳がんに罹患していることがわかり、克服後は「乳がん撲滅運動家」としても活動するようになりました。このころに離婚もしています。さまざまな人生経験を積んだ結果、曲調は癒し系かつスピリチュアルになり、かつての元気いっぱいな雰囲気ではなくなりました。

この人のCDは、ベスト盤を中心にたくさん発売されています。ディスコの代表盤「フィジカル」は国内盤でも出ています。ちなみにフィジカルの12インチバージョン(仏盤)は、7分以上あってなかなかの出来なのですが、これは今では非常にレアになっています(YouTube動画。ただし賛否両論の(?)ハードゲイバージョンで未成年者禁)。

最後に、最近見つけたオリビア、アンディ・ギブ、アバの「夢の競演モノ」のYouTube動画(2分割)を張っておきます。いやあ、みんな若いっす…。





トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by Suzu   2008年06月23日 21:41
どうもこんばんわです。

最近CMでオリビアの「そよ風の誘惑」が流れてますが、聴こえてくると瞬間的にふわっと身体の力が抜けるんですよね。やっぱりこの声は特別だなぁと思います。
マドンナが出てきた時、オリビアに続く歌うエアロビクス・ダンサー…なんて紹介されていたのは、やはり「フィジカル」のクリップの影響が大なんでしょうね。今見ると(昔から?)もの凄くアナーキーなPVだなぁと思います。
2. Posted by mrkick   2008年06月24日 01:07
コメントありがとうございます。いくら意味深な曲を歌っても、オリビアさんはやっぱり健康的。せいぜい「ちょいセクシー」路線でしょう。あの強烈なディスコに比べれば、保守的なアメリカ人でも安心できたと思います。ポストディスコの時代だったからこそウケたのかもしれません。その直後、マドンナの登場によりもう少しキワどさが増していくのですけどね。
3. Posted by いわやん   2008年07月21日 17:59
はじめまして
オリヴィア大好きでした!
ホント可愛らしかったですね。
4. Posted by mrkick   2008年07月21日 23:29
コメントありがとうございます。ホント伝説的な実力派アイドルでしたね。またお立ち寄りくださいませ!

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Archives
profile
mrkick (Mr. Kick)
本名・菊地正憲。何かと誤解されるディスコを擁護し、「実は解放と融合の象徴だった」と小さく訴える孤高のディスコ研究家。44歳。本業は雑誌、論壇誌、経済誌などに執筆する元新聞記者のジャーナリスト/ライター。踊る機会はめっきり少なくなったが、CD&レコードの収集は28年前から地味〜に続行中。アドレスは↓
mrkick@livedoor.com
Photo
検索

このブログ内
ウェッブ全体
(うまくいかない場合は、更新ボタンでページ再読み込みを!)
訪問者数
最近の訪問者数グラフ

    blogramボタン
    blogram投票ボタン
    QRコード
    QRコード
    livedoor Readerに登録
    RSS
    livedoor Blog(ブログ)