Invisible Man's Band最近すっかり投稿が遠のいてしまって"神出鬼没"状態ですが、世界を揺るがした"マイケル・ショック"もやや沈静化したところで、今回は隠れたホットサマー・ナンバーを一つ紹介しちゃいましょう。インビジブル・マンズ・バンドの「オール・ナイト・シング」(80年、米ディスコチャート10位、R&B9位)です。

ここ数年、久しぶりに70-80年代のレアなディスコナンバーの音源が次々とCD化されており、このインビジブルもその一枚となります。彼らのたった2枚のアルバムのうち、ノリノリの珠玉ディスコ「オールナイト」が入ったデビュー盤「インビジブル・マンズ・バンド」(80年)は、なんと今年2月、日本のユニバーサルから初CD化されております。もう一枚の「Really Wanna See You」(81年)も同じころ、英FTGレーベルからCDで再発になりました。

まあ、2枚目はセールス的にコケてしまい大した内容でもないのですが(笑)、やはりデビュー盤はなかなかのものです。ディスコブームが沈静化した時代だったにもかかわらず、日本はもちろん、欧米のディスコフロアでも確固たる地位を築いた名盤といえると思います。

それでも、この変な“アジア人蔑視っぽい”ジャケットのアルバムがディスコ名盤といえるのも、「オール・ナイト・シング」があればこそです。かのNYの著名ディスコ「スタジオ54」でも定番化していました。ほかの聴き所といえば、3曲目のダンスナンバー「X-カントリー」に、珍しいバンジョーの音色が入っている点でしょうか。

「オールナイト」は、イントロのドラムとベースによるビート進行から既に「必殺躍らせ隊」でして、アゲアゲのメロディー展開も、「踊れや踊れ」の掛け合いボーカルも、「びよよ〜ん」という電子効果音の控えめかつ絶妙な入り具合も、もう完璧です。

ただ、ディスコ好きでしかもCD好きにはとても悩ましい曲の一つでした。ソウル、ディスコ系のコンピレーションCDにはほとんど入っておらず、見つけてもあまり音質の良くないものでしたので、12インチレコードを自分でしこしこCDに録音して聴いていたものです。

ですから、CDを見つけたときには素直に狂喜乱舞、感涙にむせびました。いまもけっこう安く売っているようですから、ディスコ好きならマストアイテムではないでしょうか……とはいうものの、何しろこの手のCDは廃盤後、中古でもすぐにバカ高くなりがちです(今なら送料込み1500円前後)。

このグループは、「O-o-h Child」(70年、全米一般8位、R&B14位)のほぼ「一発屋」として知られるファイブステア・ステップスのメンバーだったベーシストのケニー・バークとその兄弟らが結成しました。結局、インビジブルを結成しても大成功!!とはいかなかったわけですが、私にとっては「オールナイト」があれば十分でございます。ちなみにケニー・バークは、サンプリングネタで有名なメロウ・ダンスナンバー「Risin' To The Top」を82年に小ヒットさせてはおります。

聞くところによると、「オールナイト」の普通の12インチの長さはアルバムと同じ6分20秒程度なのですが、約8分の貴重テイクも存在するとか。私は一般バージョンしか知りませんし、それしか持ってません。あってもまたバカ高いことウケアイです。