Peter Griffin今回はオッタワンついでに、シュラーガー(例1例2)の本場ドイツからひとつ紹介しておきます。とて〜もマニアックで一般の人にはほとんど知られていない、かといって知らなくても一向に差し支えないピーター・グリフィン(Peter Griffin)さんです。

もともとドイツは、アラベスクや「ミュンヘンサウンド」としても知られるボニーMシルバー・コンベンションなどの例を出すまでもなく、お砂糖をまぶしたようなバカ明るいディスコの殿堂のような国です。そんな中でも、ピーターさんの曲は、オッタワン的なディスコの無邪気なポジティブさが際立っていると思います。ドイツ発祥の欧州の伝統的な歌謡曲シュラーガーがディスコになったらこんな風になる、という一つの模範例だといえましょう。

ピーターさんの本名はピーター・カンプ(Peter Kamp)で、1939年生まれのドイツ人。70年代後半に国内で人気歌手となり、「スパイダーマン」(78年、上写真)、「ハリケーン」(80年)、「ステップ・バイ・ステップ」(同)、「アイブ・ロスト・マイ・ウェイ」(81年、こちらは珍しい本人登場のYoutube動画)、「インサイド・アウト」(同)などのディスコヒット、さらにはディスコアルバムを矢継ぎ早にリリースし、80年代半ばには表舞台から姿を消しました。70年代から80年代にかけて放映されていたドイツの人気テレビ番組「DISCO」にも出演しています。

中でも、私が好きなのはスパイダーマンですね。聴けばすぐ分かるのですけど、同時期にヒットしたパトリック・ヘルナンデスの特大ディスコヒット「ボーン・トゥ・ビー・アライブ」(79年、米ディスコチャート1位)にとてもよく似ています(どっちが真似たのかは不明にせよ)。

ただ、随所に入るシンセリフなどには、欧州産音楽ならではの哀感がたっぷりと感じられ、日本人の耳にも懐かしく響いてきます。そう考えれば、アバの「オン・アンド・オン・アンド・オン」なんかにもどことなく似ているようです。……いやあ、この辺がいかにも安直なお手軽ディスコらしいので合格決定です。

本当に地味な人ですので、情報がほとんどないのですが、調べてみたらいつの間にか、2007年に66歳で亡くなっていたようです。歌手として売れなくなった後半生には、ドイツ国内外で飲食店を運営する経営者に転身して成功したとされています。

この人の曲のCD化については、アルバムはおろか、シングルでさえも、ドイツのディスコ・コンピレーションに何曲かがちらほらと入っている程度なのでほぼ絶望状態。それでも、「ステップ・バイ・ステップ」だけは、以前に紹介したモビーディック・レコードのコンピに奇跡的に収録されています。

次は、もう少しメジャーどころに向かおうとは考えております。