Reddings_80最近、暇さえあれば聴いているのが「レディングス」。名曲「ザ・ドック・オブ・ザ・ベイ」で知られるオーティス・レディング(1941-67)の遺児たちが結成したグループです。80年代初頭から後半にかけて数年間、短い間でしたがノリのいい曲を連発していました。

オーティスは60年代前半から次々にソウルヒットを世に送り出していたスターでしたが、1967年、米ウィスコンシン州で発生した飛行機事故で急逝しました。享年26。この事故では、当時バックバンドを務めていた初期バーケイズの4人も同時に亡くなっています。

死の直後に発売されたのが「ドック・オブ・ザ・ベイ」で、追悼の曲になったこともあり、アメリカの一般チャート、R&Bチャートともに初の1位を獲得しました。

不慮の死によって遺されたのが、7歳のデクスターと3歳のオーティスⅢのレディング兄弟でした。ともに音楽には早くから目覚め、従兄弟のマーク・ロケットとともに3人グループの「レディングス」を結成。80年にはデビューアルバム「The Awakening」(写真)を発表しました。

このアルバムは、80年という時代もあり、かなりディスコなノリを醸しています。全体的にギャップバンドとかクール・アンド・ザ・ギャングをややポップにした曲調で、シングルカットされた1曲目の「Remote Control」は、米R&Bチャートで6位まで上昇するヒットとなりました(ディスコチャートは最高22位と微妙)。「Funkin' On The One」というもろファンキー風の佳作も入っています。

まあ、80年前後にたくさんあった典型的なファンキーディスコといえます。私の好きなタイプではあるのですが、最年長のデクスターでもこの時はまだ20歳そこそこで、ボーカルが少年っぽくて弱いのが少々気になります。

ただし、デクスターのベースはなかなかよろしい。とりわけ、フュージョン風インストの表題曲「The Awakening」は、スラップ奏法を駆使したけっこう高度なテクニックを披露しています。

レディングスはその後、80年代後半にかけて4枚ほどアルバムを制作しました。ダンサブル路線は崩さず、「You're The Only One」とか「I Know You Got Another」といったまずまずの曲をリリースしたのですが、セールス的にはデビュー作を越えられませんでした。

デビューから数えて4枚目あたりからは、シンセサイザーのピコピコ音(私は好きだが)に頼り過ぎて音がスカスカになった印象も・・・。伝説となった父親の存在があまりに偉大で、オリジナル色を出し切れなかったといえるでしょう。

それでも、内容的には決して悪くはないと思います。昨今の80sブームに乗って、80年代前〜中期のアルバムがオランダPTGレーベルから相次いでCD化されてもいます。入手はまだ容易ですので、ファースト「The Awakening」あたりはお勧めしておきます。