ディスコ堂 by mrkick

音楽に貴賎なし ―Discoの考察とCD批評

21世紀

ついでにトリノ五輪続報

Donna Summer--I Feel Loveもう「いまさら」ですけど、昨日のトリノ五輪開幕セレモニーでかかったディスコのうち、私が聞いていて判明した分を一挙公開(!?)しておきます。暇だったのでメモしていたのですが、けっこういい加減です。


1, Good Times (Chic)
2, I'm Your Boogie Man (KC & The Sunshine Band)
3, Long Train Running (Doobie Brothers)
4, I will Survive (Gloria Gaynor)
5, Don't Stop 'Til You Get Enough (Michael Jackson)
6, Le Freak (Chic)
7, Spank (Jimmy Bo Horne)
8, Jingo (Candido)
9. Let's Start 2 Dance Again (Bohannon)
10. Gimme Some (Jimmy 'Bo' Horne)
11. Don't Let Me Be Misunderstood (Santa Esmeralda)
12. Hot Stuff (Donna Summer)
13. Relight My Fire (Dan Hartman)
14. ?(よく聞き取れず。インストだったのでは→後に判明La BiondaのOne For You, One For Me)
15. You Should Be Dancing (Bee Gees)
16. Let's All Chant (Michael Zager)
17. Funky Town (Lips Inc.)
18. I Feel Love (Donna Summer)
19. Face To Face, Heart To Heart (Twins)
20. Just Can't Get Enough (Depeche Mode)
21. Moonlight Shadow (Mike Oldfield)
22. Sweet Dreams (Eurythmics)
23. Video Kills The Radio Star (Buggles)
24. Love Is In The Air (John Paul Young)
25. Zodiacs (Roberta Kelly)
26. Never Can Say Goodbye (Gloria Gaynor)
27. Can't Take My Eyes Off Of You (B.T.G.)
28. Y.M.C.A. (Village People)
29. Daddy Cool (Boney M)
30. Think (Aretha Franklin)
31. Jump (Van Heiren)
32. ?(よく聞き取れなかったが、テディ・ペンダーグラスかバリー・ホワイトだと思う)
33. Disco Inferno (Tramps)
34. You Make Me Feel (Sylvester)
(これより後は観ていない)

こうみていくと、まあ有名どころは抑えていたようですな。個人的にはEW&Fあたりは入れて欲しかったところです。

ロバータ・ケリー「Zodiacs(恋の星占い)」(77年)というのは、ヨーロッパらしさを感じさせます。プロデューサーは「ミュンヘンディスコ」の仕掛け人の一人ジョルジオ・モロダーでした。

彼女には「恋の…」のほかに「トラブル・メーカー」(76年)というヒットもあります。80年代にはソロとしての活躍はできなくなってしまいましたが、その歌唱力を生かして歌手活動を継続。同様にジョルジオのプロデュース作品で世に出たドナ・サマーの80年中期のアルバム「She Works Hard For The Money(情熱物語)」「キャッツ・ウイズアウト・クロウズ」で、バックボーカルを担当しています。

写真は、式典で2曲エントリーしていたドナサマーのうち、「アイ・フィール・ラブ」が収録されている「I Remember Yesterday」(78年)であります。「ヒットメーカー・ジョルジオ様」からプロデュースされて、ジャケ写真のようにセクシー(?)路線を突っ走っていた頃。官能的なドナが堪能できる作品であります。

Jimmy ''Bo'' Horne (ジミー・ボー・ホーン)

Jimmy ''Bo'' Horne (ジミー・ボー・ホーン)トリノ冬季五輪が開幕しました。私もボーッとテレビを観ていたわけですが、開会式の入場行進では、ディスコがさんざん流れていました。

中継するNHKのアナウンサーは盛んに「今日の音楽は70−80年代に世界中でヒットした曲を選んでいるとのことです。『誰が聞いても分かる』曲になっています」と連呼していました。ディスコファンとしてはなかなか心地よい言葉ですね。誰が聞いてもわかる「世界平和」な音楽なんですからねえ。ディスコもたいしたものです(断定)。

開会式では約1時間にわたり、各国選手代表の華やかな行進に合わせて、次から次へとディスコヒットが聞こえてきました。全部で35曲ほど。ドナサマー「ホットスタッフ」、シック「おしゃれフリーク」、グロリア・ゲイナー「恋のサバイバル」、サンタ・エスメラルダ「悲しき願い」、マイケル・ジャクソン「今夜はドント・ストップ」などなど、お馴染みの曲ばかりです。

一応、ほぼ全部の曲が分かったのですが(2曲歓声でよく聞き取れず)、ジミー・ボー・ホーンが2曲もかかったのにはちょっと驚きました。曲は「スパンク」と「ギミー・サム」というやつです。

ジミーは、このブログの最初の方で説明した米マイアミの「T.K.レコード」の黒人シンガーであります。1949年にフロリダ州に生まれ、地元の大学に通っているころ、TK関連会社からレコードデビュー。同じTKのスターであるベティ・ライトの大ヒット曲「クリーン・アップ・ウーマン」のアンサーソング「クリーン・アップ・マン」なんて曲を出すなどして、注目を集め始めました。

75年、「ギミー・サム」がディスコチャート11位にまで上昇して知名度も急上昇。その後「ゲット・ハッピー」(77年)、「スパンク」(79年)、「Is It In」(80年)と立て続けにディスコヒットを世に送り出しました。しかし、80年代中盤になるとTKレーベルの経営が悪化、ジミーの人気も急降下してしまい、人々の記憶の彼方へと消えていったのです。

しぶい太めの声が印象的な、良いアーチストだったのですけれどもねえ。曲も「ロック・ユア・ベイビー」を生んだマイアミのTKらしい、のどかな感じの曲が多かった。日本のディスコでも、スパンクとか「ダンス・アクロス・ザ・フロア」などが人気でした。

ジミーのCDはなかなかないのですが、写真のウエストサイドレーベルのベスト盤がまずはおススメ。スパンク、ギミー・サム、ゲット・ハッピーほか、ほぼすべての代表曲が網羅されています。アマゾンなどを見ると、今は発売レーベルがEMIになっていて、ジャケットのデザインが変更になっているようですが、中身は同じです。

マドンナの新譜

マドンナの新譜11月発売のマドンナの新譜を紹介しておきます。私自身、高校生のときにメジャーになる前のマドンナを知り、しばらくファンだったのですが、90年以降はご他聞に漏れずハイパーでしつこい電子音楽になっていったので、アルバムを買うのを止めていました。でも、今回のは久しぶりに良さそうなのです。タイトルは「Confessions on a Dance Floor (ダンスフロアでの告白)」、つまり「ディスコ的」なのですよ。アマゾンでさっそく予約しておきました。

メーン曲は「ハング・アップ」。あのABBAの「ギミー・ギミー・ギミー」のサンプリングを下敷きにしていて、ビート進行がちゃんと「ドンドコドンドコ」しています。ベースになっているのは、80年代前半の、例えばボビーOのようなハイエナジーでしょうか。

シンセ部分はあえて、レトロな雰囲気を出しています。全体の曲調も「ギミー…」の持つ哀愁ユーロな感じがうまく生かされていて、それにあの舌足らずのマドンナのボーカルが乗っかっている感じです。

マドンナが大ポップスターであることは誰しもが認めるところ。けれども、ここ数年はセールス的にちょっと陰りを見せてきたところでした。「Confession=(罪などの)告白」というぐらいですから、ディスコを持ってきたことに多少の罪の意識があるのでしょうが、私にとっては「バック・トゥ・ザ・ルーツ」ということで、歓迎すべきところです。

このアルバムでは、ほかにもジャクソンズの「キャン・ユー・フィール・イット」やドナ・サマーの「アイ・フィール・ラブ」のサンプリングが入った曲が収録されてるようです。こんなアルバムなら、「ハウス&テクノ&ヒップホップ」にどこか抵抗感を持つ私のようなディスコおじさんでもOKですな。

19歳でミシガン州の田舎からスターを夢見てNYに「上京」し、ヌードモデルをやったり、ディスコアーチストのバックダンサーをやったり、数々の業界の男を手玉に取ったりしながら、ようやくディスコで人気に火がついたマドンナ。現在47歳で、キャリア的にも過渡期に入ってきた彼女にとって、「エヴィリバディ」や「バーニング・アップ」のテープを手に、NY中のディスコで懸命に売り込みを続けた若き下積み時代にいったん戻るというのは、とても好ましいことだと思っています。
プロフィール

mrkick (Mr. Kick)

「ディスコのことならディスコ堂」----本名・菊地正憲。何かと誤解されるディスコを擁護し、「実は解放と融合の象徴だった」と小さく訴える孤高のディスコ研究家。1965年北海道生まれのバブル世代。本業は雑誌、論壇誌、経済誌などに執筆する元新聞記者のジャーナリスト/ライター/翻訳家。もはや踊る機会はなくなったが、CD&レコードの収集だけは37年前から地味〜に続行中。アドレスは↓
mrkick2000@gmail.com

*「下線リンクのある曲名」をクリックすると、YouTubeなどの音声動画で試聴できます(リンク切れや、動画掲載者の著作権等の問題で削除されている場合はご自身で検索を!)。
*最近多忙のため、曲名質問には基本的にお答えできません。悪しからずご了承ください。
*「ディスコ堂」の記事等の著作権はすべて作者mrkick(菊地正憲)に帰属します。

Archives
検索してみよう!

このブログ内
ウェッブ全体
本業分野の著書!(Amazonリンク)


初証言でつづる昭和国会裏面史!
著書です!(Amazonリンク)


キーワードは意外に「ディスコ」。
TOEIC930点への独学法とは…
CDのライナーノーツ書きました(Amazonリンク)


たまには「ボカロでYMCA」。
キュート奇天烈でよろし。
訪問者数(UU)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最近の訪問者数(UU)

    Recent Comments
    blogramボタン
    blogram投票ボタン
    QRコード
    QRコード
    • ライブドアブログ