「欧米じゃないディスコ」を探っていたらアフリカにたどり着きました――ということで、今回は「ナイジェリア・ディスコ」です。非常に珍しい音源を集めた9曲入りCD「Nigeria Disco Funk Special」(左写真、試聴可)が最近、発売されたので取り上げようと思いました。
このCDは1974年から79年まで、主に西アフリカ・ナイジェリアの中心都市ラゴスのディスコやダンスクラブでかかっていた曲を集めたもの。Soundwayというイギリスのマイナーレーベルが、アフリカ発の70年代ロックやファンクやポップスを含む「アフリカ・シリーズ」の一つとして発売しました。
言うまでもなく、アフリカ音楽はソウル/ディスコの最大のルーツですから、まあいいかな、と思ったのですが、こりゃ純粋なディスコというよりもファンクの要素が強い。しかも、とびきり荒削りな“どファンク”です。
聴いてみると、演奏自体はなかなかしっかりしている。録音状態もまずまずです。とりわけ、アメリカのファンクの帝王ジェームズ・ブラウンの影響がもろに伝わってきます。サックス・ソロなどは、JBバンドの主軸であるメイシオ・パーカーのノリになっていますし。
ライナーノーツなどを参照すると、貿易港でもあるラゴスには当時、アメリカから輸入レコードが大量に入ってきており、現地のクラブやディスコでガンガンかけられていたといいます。JBに代表されるファンクは、黒人移民をルーツとするアフロ・アメリカン音楽でもあるわけですから、いわば大西洋をまたにかけたダイナミックな逆輸入現象が起きていたのですね。
このCDには、ラゴスの現地バンドが、そうした輸入音楽の要素を取り入れ、まったくローカルにヒットさせていた曲群が収録されています。バンド名として「T-Fire」、「The Sahara All Stars」、「Asiko Rock Group」などの名前が並んでいますが、もちろん、どれも無名です。
JB以外にも、オハイオ・プレイヤーズとか、スタックスレコード時代のバーケイズとかを彷彿とさせる、70年前後の「プレ・ディスコ期」の要素が感じられます。もちろん、(少々シブめながらも)ダンサブルであることは間違いないわけで、個人的には気にって毎日のように聴いています。
あまりにも遠く離れた国なので、ちょっと想像がつきにくいのですけど、70年中期のラゴスにも、若者たちが集まるような歓楽街やディスコがあった、とライナーノーツなどには記されています。私などは「ラゴス」と聞くと、サード・ワールドのレゲエ風ディスコ曲「ラゴス・ジャンプ」を思い出すのですが…。
音楽のルーツとばかり考えていたアフリカですが、ディスコ時代にも立派な「発信源」だったのですね。ただ、アメリカなどに「再輸出」して売り出したバンドも一部にはあったものの、それはうまくいかなかったようです。
それにしても、「あまりにも掘りすぎてアフリカに来ちゃいました」みたいな、「カルトで誰も知らない」シリーズです。もう「レア」という枠を飛び越えています。イギリスとかフランスには、こういうマニアックで探究心旺盛なレーベルがけっこうあるんですけど、まあ、内容が悪くないので、たまにはいいかもしれません。
このCDは1974年から79年まで、主に西アフリカ・ナイジェリアの中心都市ラゴスのディスコやダンスクラブでかかっていた曲を集めたもの。Soundwayというイギリスのマイナーレーベルが、アフリカ発の70年代ロックやファンクやポップスを含む「アフリカ・シリーズ」の一つとして発売しました。
言うまでもなく、アフリカ音楽はソウル/ディスコの最大のルーツですから、まあいいかな、と思ったのですが、こりゃ純粋なディスコというよりもファンクの要素が強い。しかも、とびきり荒削りな“どファンク”です。
聴いてみると、演奏自体はなかなかしっかりしている。録音状態もまずまずです。とりわけ、アメリカのファンクの帝王ジェームズ・ブラウンの影響がもろに伝わってきます。サックス・ソロなどは、JBバンドの主軸であるメイシオ・パーカーのノリになっていますし。
ライナーノーツなどを参照すると、貿易港でもあるラゴスには当時、アメリカから輸入レコードが大量に入ってきており、現地のクラブやディスコでガンガンかけられていたといいます。JBに代表されるファンクは、黒人移民をルーツとするアフロ・アメリカン音楽でもあるわけですから、いわば大西洋をまたにかけたダイナミックな逆輸入現象が起きていたのですね。
このCDには、ラゴスの現地バンドが、そうした輸入音楽の要素を取り入れ、まったくローカルにヒットさせていた曲群が収録されています。バンド名として「T-Fire」、「The Sahara All Stars」、「Asiko Rock Group」などの名前が並んでいますが、もちろん、どれも無名です。
JB以外にも、オハイオ・プレイヤーズとか、スタックスレコード時代のバーケイズとかを彷彿とさせる、70年前後の「プレ・ディスコ期」の要素が感じられます。もちろん、(少々シブめながらも)ダンサブルであることは間違いないわけで、個人的には気にって毎日のように聴いています。
あまりにも遠く離れた国なので、ちょっと想像がつきにくいのですけど、70年中期のラゴスにも、若者たちが集まるような歓楽街やディスコがあった、とライナーノーツなどには記されています。私などは「ラゴス」と聞くと、サード・ワールドのレゲエ風ディスコ曲「ラゴス・ジャンプ」を思い出すのですが…。
音楽のルーツとばかり考えていたアフリカですが、ディスコ時代にも立派な「発信源」だったのですね。ただ、アメリカなどに「再輸出」して売り出したバンドも一部にはあったものの、それはうまくいかなかったようです。
それにしても、「あまりにも掘りすぎてアフリカに来ちゃいました」みたいな、「カルトで誰も知らない」シリーズです。もう「レア」という枠を飛び越えています。イギリスとかフランスには、こういうマニアックで探究心旺盛なレーベルがけっこうあるんですけど、まあ、内容が悪くないので、たまにはいいかもしれません。