Rare Earth不滅のディスコソングである「ゲット・レディー」は、このレア・アースの作品としても有名。生粋のロックミュージシャンではありますが、1969年にモータウン・レーベルと契約し、異色の白人グループとして、同年に発表したアルバム「ゲット・レディー」の同名シングル曲が大ヒット(70年に全米ビルボード一般チャート4位)したのでした。

前身は1961年に結成され、デトロイトのローカルバンドとして活躍していた「Sunliners」。デトロイトといえば、以前に紹介したマイク・シオドアとデニス・コフィーでして、彼らがまず「Sunliners」を発見していくつか曲をプロデュース。67年にレア・アースに改名後、しばらくしてモータウンが「こいつらはイケる」と契約しブレイクしたわけです。

代表曲「ゲット・レディー」は、もともと同じモータウンの看板グループのテンプテーションズが66年に放ったヒット曲のリメイク。しかし、同チャートで29位だった原曲を凌ぐ人気となったのです。ちなみに原曲の作者はスモーキー・ロビンソンであります。

ディスコでは70年代、さらには80年代以降にも、世界中で普通に定番化していました。古臭さは否めないものの、70年前後生まれの文字通りレアなディスコといえると思います。この手の「古いロックやけどディスコでオッケー」な曲としては、ショッキング・ブルーの「ビーナス」(69年)なんかも挙げられると思います。

レア・アースは「ゲット・レディー」の後、「(I Know)I'm Losing You」(70年、同7位)、「I Just Want To Celebrate」(71年、7位)といったヒットを出しましたが、ディスコ的には78年の「Warm Ride」(同39位)も忘れがたい名曲です。お馴染みビー・ジースの作品で、「いかにもビージーズ」のバージョン(歌ったのは弟のアンディー・ギブ)とは違い、ロック、ポップ、ディスコが融合したようなユニークな仕上がりになっています。

それにしても、レア・アースのゲット・レディーは、アルバム原盤に収録されているヤツは21分半もあるライブバージョン。観衆の前で張り切って演奏が長くなりがちなライブものとはいえ、もうホント長過ぎて、さすがに飽きます。私が持っている12インチの中でも最長不倒記録です。

写真は、その“だらだらバージョン”が入った米盤ベスト「The Millennium Collection」ですが、短いシングルバージョンがいろんなコンピに入っているので、そっちで十分かもしれません。ディスコブームの70年代後半あたりに、きちんとしたディスコバージョンを作っておいてほしかったところです。90年前後に日本でも流行ったCarol Hitchcockやテンプテーションズのユーロビート・リメイク・バージョンも悪くはないですが、やはりちょっとイジられ過ぎている感があります。

80年代以降、いつの間にか表舞台を去っていったレア・アース。私としては、そろそろ「Warm Ride」の入ったアルバム「Band Together」あたりのCD化を望みたいところです。