Four Seasons前回投稿のビーチボーイズと同時期の1960年代にピークを迎え、同じようなドゥーアップを基調としたロック&ポップ音楽が持ち味だったのがフォー・シーズンズです。新年早々、62年に立て続けに全米1位となった「Sherry」と「Big Girls Don't Cry」を近所の駅前の喫茶店で耳にして思い出した次第です。

この人たちも70年代に入るとスランプに陥ったのですが、75年にリリースしたアルバム「Who Loves You」がヒットして息を吹き返します。ディスコっぽい表題曲シングル「Who Loves You」が全米チャート3位に入る大ヒット。さらに次のシングル「December 1963」(これまたディスコ風)は1位になったのでした。

特に「Who Loves You」の45回転シングルB面には、足音を立てて迫り来るディスコブームを意識して、A面の「Disco Version」が収録されていました(音質ひどいがYouTube動画参考)。あの狭いレコード溝に5分28秒も詰め込まれおり、もともと音質はどうしても落ちるのですけど、まだディスコ用12インチ盤が普及していなかった当時としては非常に画期的なことでした。

フォー・シーズンズは、いうまでもなく高音の美声でならしたフランキー・ヴァリがリード・ボーカルかつ中心人物。以前の投稿で触れたとおり、彼自身、70年代半ばから数年間はディスコもののソロヒット曲を何枚もリリースしております。

彼らの“ディスコ期”は「Who Loves You」以降は長続きせず、ご他聞に漏れずやがてヒットチャート的にも過去の人々となっていきます。84年にはかつての好敵手ビーチボーイズとの夢のコラボレーションを実現して、「East Meets West」なる面白い曲をリリースしたのですがコケてしまいましたとさ。

とはいえ、1993年には、80年代からディスコリミキサーとして活躍してきたBen Liebrandの手による「December 1963」のダンスリミックスヴァージョンをリリースし、全米14位に再チャートインするなど、興味深い動きも見せました。

ほかにも、ディスコとのつながりで言えば、1966年の彼らのヒット「Working My Way Back To You」(全米9位)は、1979年にスピナーズ完全無欠のディスコリメイク曲として再びヒット(全米2位、ディスコチャート8位)させています。

写真は、数ある彼らのベスト盤CDの中の一枚「The Seasons Hits」(米Curbレコード盤)です。「Who Loves You」のディスコバージョン(残り数十秒で編集カットされているが)のほか、再ヒットした「December 1993」のダンスリミックスやその他シンセサイザーぶいぶいのリミックス曲が何曲か収録されているのが珍しい。ただし、正統派フォーシーズンズもしくは60sファンには間違ってもお勧めしません。