Hall & Oatesディスコで耳にした米国の代表的ポップデュオといえば、ホール&オーツです。80年代を代表する大物アーチストですから、再発CDはあふれるほど出ているのですが、ディスコファン向けに非常によく編集された日本盤CDがありますので、取り上げておきます。

題して「ダリル・ホール&ジョン・オーツ 12インチ・コレクション」(Vol.1=写真=とVol.2)。発売レーベルは、トンプソン・ツインズとかリック・スプリングフィールドとか、他社があまり手を出さない過去のアーチストの12インチ集CDを多く出している「BMGファンハウス」であります。

2集合わせて23曲の貴重な12インチバージョンが並んでいます。リミックスはかのアーサー・ベーカー。どれもお馴染みのヒット曲ばかりで、ヒジョ〜に楽しめます。「ブルーアイド・ソウル」の代表格といわれるほど、彼らの曲づくりはソウル、しかもモータウン寄りでして、「ポップ&ディスコ」のダンサブルでクロスオーバーな魅力が満載ですな。

Vol.1には、「アウトオブ・タッチ」「セイ・イット・イズント・ソー」「ファミリー・マン」「プライベート・アイズ」などが、2集目には「マン・イーター」「キッス・オン・マイ・リスト」「アウト・オブ・タッチ」などがそれぞれ収録されています。いずれもディスコではかかりまくりでした。

中でも特筆すべきは、大ヒットしたのにレアな「マン・イーター」の12インチバージョン。BPMが180近くあってへたばるのですけど、かかれば懸命に踊ったものです(今は無理です)。シュープリームス「恋はあせらず」をほうふつとさせるノリであります。

あとは、80年代風うねうねシンセ全開のVol.1の6曲目「ダンス・オン・ユア・ニーズ」と、Vol.2の7曲目「アウト・オブ・タッチ」(ダヴバージョン)ですかね。特に前者のアレンジは、アーサーベイカーのブレイク系の代表曲「ブレイカーズ・リベンジ」に似た感じ。思わず「エレクトリック・ブギーに挑戦して関節痛めました」状態になりそうです。

ただ、私の一番好きな(みんなも好きな)「プライベート・アイズ」の「UKバージョン」はいただけません。この曲には12インチバージョンがないと思っていたので、楽しみにしていたのですが、どう考えてもシングルバージョンと同じでした。時間も3分ちょっととチョー短く、がっかりであります。どういうわけか音圧も、心なしか低めに聞こえる。トレードマークのハンドクラップ音「ぱぱんっ!」もなんだか元気がなさそうです。

それでも、いうまでもなく、曲自体の完成度については、メロディーやボーカル力などどれをとっても高い。しかも、これだけの曲数を珍しいバージョンで楽しめるのですから、お買い得CDだと思います。音源確保という意味でもありがたいことですな。