
結成当初は5人だったり、4人だったりした時期もありますが、70年代半ばには、Eddie Levert、 Walter Williams、 William Powellの3人に落ち着きました。同時に、ディスコプロデューサー・コンビのギャンブル&ハフに見込まれ、フィリーサウンドの大御所になっていくわけです。特に中心人物のEddieについては、息子が80年代、人気R&BグループのLevertを結成したことでも知られます。
彼らのピークはどうみても70年代。でも、今回紹介したいのは、80年代に入ってからのアルバムであります。特に83年の「When Will I See You Again」と84年の「Love And More」のころが大変によろしい。自分がディスコで実際に聞いたというのが大きな理由ではありますが、ドラムマシーンって下っ腹に響いて、やっぱり素敵です。
「When…」の方でいうと、「Put Our Heads Together」(米ディスコチャート11位)が珠玉です。メロディーラインは「ありがちな80年代ブラコンディスコ」ながら、絶対的なボーカルパワーで、しっかりと細部を引き締めております。ディスコではトニー・リーの「リーチアウト」あたりとセットでかかっていた気がします。
「Love…」では「Everybody's Dance Krazy」と「Love And Direct」が、これまた“ぶいぶいシンセ路線”で秀逸。メンバーが初期のころと大きくは変わっていないので、ボーカルを聞いて「あっ、オージェイズさんだ!!」とすぐ分かるのがまた結構であります。こちらは当時のディスコでは聞いた記憶はありませんけど、今かかってもおかしくない、と個人的には思います。もちろんバラードも申し分なく、夜の部屋での“かけ流し”にぴったりですな(絶賛)。
70年代があまりにも派手だっただけに、ディスコブーム以降は無視されがちな彼ら。けれども、少なくとも、80年代、さらに90年代までそこそこのヒットを出し続け、サバイバルできたのはたいしたものです。オハイオプレイヤーズなんて、80年代には「どこいった??」となっていたわけですから。再評価されてしかるべきだと思います、個人的には。
「フィラデルフィアサウンド」の発信源の「米フィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)」は、CD再発にとても力を入れています。写真はなんと上記「When…」と「Love…」の豪華カップリング盤!。一家に一枚、ほしいところです。