
デビューアルバム「It Must Be Love」の同名シングルカット曲(79年、R&Bチャート10位)がなんといっても代表曲。同じアルバムに入っている「Crazy Love」(同、同69位)も、ダイアナ・ロスの「ザ・ボス」をほうふつさせるさわやかで高揚感のある曲調でして、ディスコ的にも名曲といえます。いずれも、デニース・ウィリアムスばりのアルトンの高音がさえわたっております。
ただし、このへんで説明がほぼ終了してしまうのが、このトリオのイタいところ。理由はよく分かりませんが、81年にはあっさり解散してしまうのです。
まあ、曲としてはなかなか強い印象を残したのですけど、チャート的に振るわなかったのが原因だったのでしょう。エモーションズをはじめ、ほかにも同じような人気女性グループがありましたしねえ。2枚目アルバム「More Of You」(80年)、ラストの3枚目「Gonna Tell The World」(81年)と、セールス的にどんどん落ち込んでいったというわけです。
アルトンは解散のすぐ後、コン・ファンクシャンやパティ・ラベルのプロデューサーであるSkip Scarboroughと結婚して家庭人に。残りのメンバーのうち、Roberta StigerはKrystolという女性ボーカルグループに加入し、80年代中盤まで活躍しました。
もう一人のメンバーであるDelores Warrenも一時、このKrysitolに曲を書くなどして参加していたのですが、85年に交通事故で死去。32歳の短い生涯を終えたのでした。
写真は「It Must Be Love」のCD。良くも悪しくも、この1枚に尽きる人々であります。