
もちろん、東京のディスコ各店でもヘビープレイされていたわけですが、私が彼女の曲を最初に聞いたのは、東京ディズニーランドの中の変なディスコ。北海道から東京に出てきたばかりのころで、大学1年の夏休み、道内の短大に通う妹たちが東京に遊びに来たので、「おのぼりさんの定番」ディズニーランドに連れていったというわけです。
そのときには「I Should Be So Lucky」と「Got To Be Certain」が何度となくかかっていたのですが、「曲調がいかにもTDLだなあ」と思ったものです。その後、TDLには一度も行っていませんが、テレビなどでTDLを見るたびに、カイリーさんを思い出します。
彼女の場合、活躍時期が既に80年代末期ですので、もはやユーロビートそのもの。テカテカし過ぎちゃって、私などには抵抗感が出てきます。SAWの勃興期の立役者の一人ですけど、「ディスコの最終コーナー」の人、といったところです。「もういいかな」って感じ。
まあ上記2曲と「Step Back In Time」は許せる範囲でしょうか。それと、88年に全米ポップチャート3位まで上昇した「Locomotion」なんかも、案外よいリメイクだと思いました。
彼女は68年、オーストラリア生まれ。少女時代からテレビドラマなどで活躍していた様子です。歌手としては、80年代後半にSAWのプロデュースを仰ぐようになってから、鬼のようにヒット曲を連発。特に本国と欧州、さらには日本ではアイドルスターの地位を確立しました。
ところが、90年代中盤にスランプに陥りました。「自分のキャラを確立したい」と言い出し、「SAW(=アイドルユーロ)離れ」をしてしまったのでした。確かに当時の彼女の曲を聴くと、マンネリ感は否めません。
しかし、試行錯誤の末、2000年以降には別のプロデューサーと組み、新手の「ダンスポップ・アーチスト」として見事に復活。「Can't Get You Out Of My Head」と「Love At First Sight」の2曲が全米ディスコチャートのトップに輝いておりますね。2005年には乳がんの手術を受けてますが、克服して再び復活しております。現在も、特に本国オーストラリアではカリスマ的な存在のようであります。
個人的には、カイリーの声を聴くと、同時期にSAWプロデュースで一時期ちょっと注目を浴びたソニアをなぜか思い浮かべます。代表曲は「You'll Never Stop Me Loving You」(89年、英国一般チャート1位)。これまたバブルなディスコで、カイリーの曲などとつながれてよ〜くかかっていました。
ソニア(・エバンス)という女性は、素人時代、スタジオで仕事中だったSAWのピート・ウォーターマンを訪ねて直接、自分の歌声を売り込んだエピソードを持つつわものです。当然ながら、カイリーの曲と曲調はまったく同じですし、ルックスも正直言って「??」なのですが、こっちの方が「ド根性」な感じで好感が持てます。「You'll Never…」のPVもけっこうほほえましい内容になっております。
カイリーのCDは山ほど出ていますが、写真の12インチミックス集(2枚組)が一番、充実しています。Vol.4まで出ておりまして、全部そろえるとカイリー・ミノーグ通になれます。ソニアのCDは昔出ていましたが……今は廃盤です。
SAWモノは今回で一応おしまい。来月は時代を遡ろうと思います。
もう誰も彼女に新曲を提供しないのだろうか?というかかなり無理がある感じですね