
新年一発目はなぜかステファニー・ミルズ。なんとなくディスコ・デーバ特集の流れであります。
耳にした途端に分かってしまうユニークな歌声。高音でビブラートを利かせまくりですが、なかなかに味わいがあります。特に、ビルボード一般チャート6位まで上昇した彼女の最大のヒット「Never Knew Love Like This Before」(1980年)は、彼女らしい愛らしさがうまく表現された名曲ですね。YouTube動画では、乙女チックなPVと、テンポアップしたライブの2パターンを見つけました。いずれもヨイです。
1957年米オクラホマ州生まれ。9歳からプロとして歌い始め、ジャクソン5のジャーメイン・ジャクソンに見出されてモータウン・レコードと契約が、ヒット曲に恵まれませんでした。70年代後半、「Wiz」というミュージカルに出演して注目されるようになり、歌手としても、レーベルを移ってミデアムテンポのディスコの曲「Put Your Body In It」(79年、ディスコチャート8位)を発表し頭角をあらわしました。さらに80年の「Never Knew…」が大ヒットしたというわけですね。
私にとっては、84年の「Medicine Song」が最も記憶に残っています。ディスコチャートで初の1位を獲得。シンセサイザーを大胆に使用した一風変わった曲調で、ディスコでも耳にしました。
私生活では、80年にシャラマーのジェフリー・ダニエルズと結婚していますが、1年もたたないうちに離婚。ディスコ関連のネット情報などによると、理由はジェフリーの過激な家庭内暴力が原因だったとか。80年といえば、「こんなに人を好きになったのは初めて♪」とピュアな恋心を歌った「Never Knew…」がヒットしたころと重なります。なんだか切なさも感じさせます。
ジェフリーといえば、15年ほど前、我がふるさとの札幌にラジオDJとして住んでいたこともある日本通で、日本語が堪能な人。「自分のツアーで起用したい」とマイケル・ジャクソンが日本から呼び戻したというエピソードがあるほどのダンス(特にロボット)の名手でもありますが、ステファニーとの離婚の経緯は「触れられたくない過去」といえましょうか。
彼女のCDは、写真のポリグラム・レコードの「ファンク・エッセンシャルズ」シリーズのベスト盤に尽きます。代表曲は一応、押さえてありますし、12インチバージョンもいくつか入っている。これ一枚で十分だと思っています。