Commodoresコモドアーズは74年のデビューアルバム「マシンガン」が大ヒット。同名シングルはR6Bチャートで7位まで上昇しました。以後、モータウンの主軸アーチストとして活躍を続けます。

この曲はインストで、初期の電子音がふんだんに使われています。電子ピアノ「クラビネット」がうねうねグルーブ感を出していて、今聴いても、かなり踊れます。ディスコ的にも、最初のシンセ系ダンス曲として注目度が高い曲です。80年代に花開くシンセディスコの原点だと私は思っています。

コモドアーズといえば、メーンボーカルのライオネル・リッチーということになりますが、このアルバムを通して聴くと、まださほど際立ってはいません。マシンガンがインストであることからも分かるように、ボーカルよりも楽器音の方が強く打ち出されているんですね。

マシンガンは多少、実験的で異色ですが、このアルバムは至って「どファンク」であります。同時期に活躍したオハイオ・プレイヤーズとか、「プレイ・ザット・ファンキーミュージック」で名高いワイルド・チェリーあたりを思い起こさせる曲調が多いようです。

彼らはディスコブームのころにも、怒涛の活躍を見せました。「ファンシー・ダンサー」(76年)、「ブリックハウス」(77年)、「トゥー・ホット・トロット」(同)といった具合に、次々とファンキーダンス系ヒットを発表します。80年代に入っても、「レイディ」(81年)のようなミデアムテンポのブラコンダンスの名曲を出していますね。

それでも、彼らの本当の魅力はスローバラードにあるといえます。大ヒットした「イージー」(77年)、「スティル」(79年)なんかは、ディスコフリークの私が聴いても感心するできばえ。ライオネル・リッチーの声はけっこうバラード向きです。

ライオネル・リッチーは1982年に脱退し、ポップな歌手として大成功を遂げました。あのころは、「もういいよ。ライオネル・リッチー」って感じで、うんざりするほど売れてました。

主砲ライオネルが抜け、退潮するかと思わせたコモドアーズでしたが、85年にミデアムスローの「ナイト・シフト」がR&Bチャートで4週連続1位、ポップチャートでも3位まで上昇する大ヒットを記録。その後もしばらく、チャート的にも持ちこたえました。

写真のCDはもろ「マシンガン」(米モータウン盤)。ただし、10曲目「スーパーマン」には途中、リマスター時に混ざったと思われる変な雑音が入っています。マシンガンに次いでけっこうシンセな良い曲だけに、残念でした。