
1959年、サンフランシスコ生まれ。著名パーカッショニストのピート・コーク・エスコベドを父親に持ち、自身もパーカッショニストとして父のバンド「アステカ」に所属するなど、裏方ミュージシャンとして活躍していました。ピアノやギターやバイオリンなども出来るマルチタレント音楽人でもあります。
グラマラスライフの同名アルバム(84年)は、当時人気絶頂のプリンスを中心としたプロデュースチームが制作。最初からヒットが約束されていたようなものでした。このアルバムでシーラは、ボーカルとパーカッションだけではなく、ベース、ドラム、ギター、キーボードも担当。異常なほどの才人ぶりを見せ付けました。ジャケットを見ると、その美貌ぶりもなかなかのものであります。超恵まれています。
この曲はディスコでも死ぬほどかかりましたね。プリンス独特のハンドクラップ風シンセ音を基調としながらも、やはり彼女のパーカッションが強い存在感を示しています。シンセ音とパーカッションが見事に融合して聞き惚れますね。ボーカルもまあまあセクシーだし。「よっ、ラテン!」って感じで、張り切って踊ったものです。途中の「イレイマッチ!(It Ain't Much !)」のところで一瞬、動きを止めてですね。
この人は次のアルバム、「ロマンス1600」(85年)という意味不明なアルバムを出しまして、これまたなかなかのヒット。シングルカットされた「ラブ・ビザール」が再びディスコチャート2週連続1位となりました。
才色兼備の彼女も、その後は徐々に失速。90年代初頭に出した「セックス・シンバル」という哀しい駄洒落アルバムを最後に、表舞台からは姿を消していきました。
それでも、特に「グラマラス」なんかは、ダンスクラシックとして今なお、さん然と輝いています。凡百のダンスヒットと比べても、各楽器音が重層的に絡み合い、曲構成が相当にしっかりしていますから、これからも世界中のダンスフロアで愛され続けることでしょう。
写真のCDはもろグラマラス・ライフ。どこにでもたくさん売っています。米国および日本盤では、アルバム収録の6曲に加えて、ボーナストラックとしてグラマラス・ライフの12インチバージョンが収録されていますが、アルバム・バージョンより1分半も短い6分33秒。これはなんだか謎であります。