
彼らの一番の特徴はボコーダーというエフェクターで加工したボーカルですね。でも、よく聴くと、レトロなシンセにピアノにドラム……と、どれもけっこう「踊らせる」ために工夫されているのが分かります。「ラジオスターの悲劇」のバグルズなんかにも感じさせるテイストです。
この人たちはもともとイギリスのバンドですが、70年代前半のちょうど英国ロック全盛の米国(「つぇっぺりん」とか「ざ・ふー」とかがいたころ)に登場してきたロックバンドな割には、垢抜けしてスマートな印象です。
これは、私などは、やはり素直にディスコチックなシンセな電子音に順応したからではないかと思うのです。いやあぁ商業ロック!産業ロック!万歳!…ですね(やや控えめに)。
で、曲紹介。まずは、人気テレビドラマ「電車男」にも使われた「トワイライト」であります。1981年にビルボードで38位にまで上昇……とたいしたことはないが、ディスコでは聞きましたよ。バリバリに。とにかくノリがよろしい。このドラマの音楽担当者、なかなかのセンスを持っていたと私などは思いますけどね。
このトワイライトが入っているアルバム「タイム」では、「ホールド・オン・タイト」もけっこうディスコでありますです。ビルボード一般チャートでは10位まで上がりました。少し抑え目のビートですが、ややビーチボーイズな感じもあって、海辺感覚で心地よく踊れることウケあいです(意味不明)。
お次は「ラスト・トレイン・トゥ・ロンドン」(79年、邦題:ロンドン行き最終列車)。これもよく新宿あたりのディスコではかかっていたと聞いています(リアルタイムでは知らないのであしからず)。今聴いても、そのよさは伝わってきます。曲調は、後の彼らの曲と比較するとまだ薄っぺらい感じがありますが、それでも「ボーカルすっきり、ドラムかっちり」の「ディスコ」であります(きっぱり)。
最後はやはり、「ザナドゥ」ですね。映画「ザナドゥ」の主題歌であり、ボーカルのオリビア・ニュートン・ジョンとのコラボレーションでもあります。80年にビルボード一般チャートで8位に入って、めでたしめでたしでした。私自身、この曲はFMで死ぬほど聞きました。ディスコ的にも普通に受け容れられる佳曲であります。
写真は、数あるELOの曲のなかでも、私が一番好きな「ラスト・トレイン…」が入っているアルバム「ディスカバリー」。メジャーな人たちだけに、入手はぜんぜん難しくはありません(断定)。