
バーケイズは1960年代から活躍する老舗バンドですが、1967年の飛行機事故でメンバー4人が死亡するという不運に見舞われました。この事故では同乗していたオーチス・レディングも亡くなっています。
それでも、4年の歳月をかけて、残ったメンバーで「新バーケイズ」が再出発し、71年ごろから見事にR&Bチャートの常連として復活を果たします。
音は非常に泥臭いわけですけれども、同時期に活躍したオハイオ・プレイヤーズ、コモドアーズ、マンドリル、ファンカデリックなんかと比べても、少し洗練された印象があります。旋律もビート進行も、耳に残りやすい。ディスコで踊るにはもってこいのファンクといえます。
代表曲は映画「ブレイクダンス」にも使われた「フリークショウ・オン・ザ・ダンスフロア」(84年、R&Bチャート2位)ということになりますが、ディスコ的にもまだまだ名曲がたくさんあります。
特に、「ホリー・ゴースト」「ムーブ・ユア・ブーギー・ボディー」「ブーギー・ボディー・ランド」など、ディスコブーム最高潮の79年前後の作品が良いですね。完全に激踊りできます。
当時は、彼らの特徴である明るいホーンセクションと骨太のベースラインが存分に生かされていました。それにラリー・ドッドソンの「いぇやう〜」という粘着質なボーカルが乗っかる感じです。シンセサイザーもほどよい感じで使われていました。
ブラコンブームに乗っかって、80年代にも人気を持続してはおります。「フリークショウ…」だけではなく、「セクソマチック」(84年)とか「サーティファイド・トゥルー」(87年)なんかのヒットを飛ばしています。ディスコの現場では、とりわけ「フリークショウ…」はめちゃくちゃ流れていました。
けれども、このころになると、ちょっとシンセサイザーに頼りすぎる傾向が強くなり、にぎやかで陽気なラテン/アフロな雰囲気が失われてしまいました。私はシンセサイザーは大好きですけど、バーケイズに限っては、生音を強調していたころの方が良いと思います。
この人たちの再発CDは豊富に出ています。入門盤はマーキュリーの「ファンク・エッセンシャルズ」シリーズの「ザ・ベスト・オブ・バーケイズ」(Vol.1、2)が最良。写真はVol.2の方です。
このベスト盤のライナーノーツで、主要メンバーの一人ジェームス・アレクサンダーは「復活後の俺たちは、とにかくコマーシャル的に成功させようとばかり考えていた。ヒットをいつも狙っていたんだ」と言っています。まあ、その目論見どおりにはなったワケですな。