Flashdanceメジャー過ぎて気が引けるぐらいですが、今回は「フラッシュダンス」(83年)です。ジョルジオ・モロダーがプロデュースしたサントラは、米国では発売後2週間で70万枚売れたそうです。最終的には100万枚を突破し、「プラチナディスク」になりました。

最も知られた「ホワット・ア・フィーリング」は、「フェーム」のアイリーンキャラが作詞して歌っています。ディスコでも非常によく聞きましたが、長くてドラムなしのイントロが「さあ、ショーの始まりよ!!」みたいに大げさで、かったるいのがイヤでした。

次はマイケル・センベロ「マニアック」。まあ、悪くはないんですけど、これもメジャー過ぎる上、速いテンポでせかせかしていて、踊る気にあまりなれなかった曲です。

マニアックについては、別な曲を思い出します。当時の一般チャートでは、ジョー・ジャクソンというジャズ・フュージョン系のアーチストが「ステッピン・アウト」という曲をヒットさせていたのですが、それとマニアックをくっつけたようなマイナー・ディスコヒット「ステッピンアウト・ウイズ・マニアック」(Club Shott)というのがあったのです。

これは好きでしたね。この2つの曲はテンポ進行やメロディーが似通っていまして、なかなかうまいアイデアだと思ったものです。

フラッシュ・ダンスの曲の中では、ドナ・サマーの「ロミオ」というのもよくかかってました。これは81年、突然、レコード会社によって発売が中止されてしまったドナ・サマーの幻の2枚組みアルバムに入っていた曲です。

このアルバムは、ジョルジオ・モロダーとピート・ヴェロッテのおなじみコンビがプロデュースしたのですが、「もう時代遅れで売れない」との判断で発売がとりやめになったのでした。「ロミオ」については、サントラで使用されることで日の目を見たわけですな。

映画はよくあるダンサーのサクセスストーリー。主役ジェニファー・ビールスがオーディションを受ける有名なラストシーンで、3人の替え玉ダンサーが登場します。ブレイクダンス風の踊りでは、筋骨隆々でもろ男と分かる人物がカツラをかぶって出てきます。何と、背中で回るバックスピンのシーンではカツラがとれてしまい、「男の短髪」になっているのが分かってしまいます。80年代の牧歌的光景であります。

あと、映画の中ではローラ・ブラニガンの「グロリア」やジョーン・ジェットの「アイ・ラブ・ロックンロール」という大ヒット曲も使用されていますが、サントラでははずされています。

CDは何度か制作され、今でもどこにでも売っています。1998年に出た「リマスタード」と銘打っているCDがいくぶん、音質が良いようです。