Pointer Sistersディスコで聞いたポインター・シスターズの曲といえば「アイム・ソー・エキサイテッド」(82年)。BPM180の超高速で、ロック調の立てノリに近いのですが、なかなか踊らされました。札幌のディスコ「テレサ・ガリレオ」では、盛り上げタイムの必需品でありました。

特に、間奏の軽快なピアノが大変よろしい。前に紹介したDee Dee Bridgewater「Bad For Me」、それにハイエナジーのOh Romeo「These Memory」などと並ぶ、ディスコ「ピアノ部門」のトップクラスに入る出来栄えだと思っています。ロングバージョンで聴くと、その良さが際立ちます。

ポインター姉妹は、米カリフォルニア州の貧しい牧師の家に生まれ育ちました。ポインター・シスターズの公式HPなどによると、「歩き出す前に歌い始めた」というほどの歌好きだったようです。舞台はもちろん黒人教会。ゴスペルが原点というわけで、その迫力は「エキサイテッド」でも存分に再現されています。

デビューは1973年で4人姉妹のグループとして出発。最初は1940年代のクラシックジャズやカントリーのような曲を歌っていたのですが、78年にボニー・ポインターが抜けて3人編成になったころから、ポップ路線に変更。「エキサイテッド」のほか、「ヒーズ・ソー・シャイ」(80年)、「スロー・ハンド」(81年)、「オートマティック」(84年)などのヒットを飛ばしました。

一方、グループを抜けたボニーの方も、「Heaven Must Have Sent You」(79年)というディスコヒットを出しています。

それでも、1980年代後半からは人気は急下降。90年代に入ると、ヒットはまったく出なくなってしまいました。この人たちの不運なところは、姉妹そろって歌があまりにも上手だったため、レコード会社の思惑などもあって、デビュー当時から色んな曲調に挑戦し過ぎたことでした。結局、「どんな特徴を持ったアーチストだっけ?」ということになってしまったわけですな。

写真は、そんな「器用貧乏」ポインター・シスターズの米RCAのベスト盤。「エキサイテッド」「オートマティック」をはじめ、ロングバージョンが豊富に入っていておススメであります。「エキサイテッド」だけではなく、「スローハンド」のようなメロウ系も含めて曲自体は非常に良いので、私はけっこう好きです。