S.O.S. Band (SOSバンド)SOSバンドはディスコブームが終わった直後の1980年、「テイク・ユア・タイム」が大ヒット(ビルボード一般チャート3位、ディスコチャート4週1位)し、表舞台に飛び出してきました。軽やかなアップテンポの明るい曲で、同じころに一般チャートで大ヒットしたリップス「ファンキー・タウン」同様、「まだまだディスコいけるじゃん」的な印象を残したわけですな。

というわけで、「テイク」が入ったアルバム「S.O.S.」は文句なく代表作となったわけですが、私は次作「The S.O.S. Band Too」(写真)にちょっと注目したい。基本旋律はほぼ前作を踏襲しているのですが、個々の曲はこっちの方がより洗練されていると思うのです。

特に2曲目の「Do It Now」(81年)は、80年代のR&B/ファンク系ディスコの超名曲だと勝手に決めています。アルバムでは1曲目とつながっているのですが、その出だしがいかにも「フロアに行こう!!」みたいな元気の良さなんです。

最初にドラムとホーンセクションが「パンパカパーン」的に入り、続いて男性コーラスが「ドンスター、ドンスター(Don't Stop)!!!」と煽る。続いて、前奏が終わったところでメリー・デイビスのゴスペルばりの熱血ボーカルがぐいぐいと展開する……といった調子です。チャートアクションはたいしたことはありませんでしたが、今でも定番のダンスクラシックになっています。

SOSといえば、ローランドのシンセ「TR-808」を駆使するプロダクションチーム「ジミー・ジャム&テリー・ルイス」がプロデュースした「ジャスト・ビー・グッド・トゥー・ミー」(83年)なども有名ですが、この人たちが加わるのは82年から。「Do It Now」は、そこで再びブレークする直前の佳曲というわけです。ちなみに私の携帯の着メロもこのDo Itでして、それぐらい思い入れがあります。

SOSバンドクラスだとさすがにCD化もきちんとされています。「The S.O.S. Band Too」は9曲入り。Do It Nowはたっぷり7分、収録されています。ほかにもダンサー、バラードともに良い曲がそろっていますので、おススメであります。