
日本のジャニーズ系みたいな色男ニック・ヘイワードを中心としたグループ。当時、それまでのロックでもパンクでもない、イギリス発の新感覚サウンドを称して「ニュー・ウェーブ」とか「ニュー・ロマンティック」という言葉が用いられましたが、デュラン・デュランやABCなどとともに、このグループもその代表として含まれていました。
ニューウェーブ系の特徴は、何と言ってもノリの良いシンセサイザー。ズシズシとしっかりしたビート、明るいサックスなどのホーンセクション、南国風メロディがフロアを盛り上げました。MTVに出てもビジュアル的に見栄えがするような、ファッションとルックスもウリでした。
「フェバリット」は、イントロのギターソロがとにかくカッコよい。ほかのニューウェーブ系ディスコであるブラマンジェ「ザッツ・ラブ・ザット・イット・イズ」やヘブン17「ウィ・リブ・ソー・ファスト」やウルトラ・ボックス「ニュー・ヨロピアンズ」なんかとの組み合わせでかかっていたのを思い出します。
このころのフロアでは、米国系が衰退した分、イギリス系が台頭してきました。男のヘアスタイルも、欧州的なテクノカットとか、昔の玉置浩二みたいな「ニューウェーブ」が流行っていました。ジーンズのようなラフな格好より、スーツが主流になってきたのもこの80年代初頭〜中期のころだったと思います。
写真のCDはいくつかあるベストの中でも、12インチバージョンがたくさん入っている点で文字通りのベストだと思います。「フェバリット」も12インチだと、ギター部分がもっと強調されて非常に心地よく仕上がっています。「ノーバディーズ・フール」「ラブ・プラス・ワン」という別の代表曲も収録。