
もともとは、ディスコ用のスタジオグループとして74年、ドイツのミュンヘンで結成。デビューシングル「セイブ・ミー」を欧米で小ヒットさせています。当時は、後に「トラブル・メーカー」や「ゾディアクス(邦題『恋の星占い』)」をディスコヒットさせたロバータ・ケリーも在籍していました。
スターになるきっかけとなったフライ・ロビン・フライは75年発売で、このときに女性トリオとして固定化しました。ビルボードディスコチャートで3週連続1位となり、グラミー賞まで受賞してしまいました。
この曲の歌詞は「フライ、ロビン、フライ、アップ、アップ、トゥ、ザ、スカイ」とこれだけ。「ロビン(欧州に多い小鳥)よ空高く飛んでゆけ」というシンプルこの上ないものです。メロディーも見事に単調で軽い。バイオリンの音色がやけに目立っていますが、ビートは弱弱しく、どう考えても「踊りやすい」とはいえないんですよ。踊っているうちに眠くなる(?)ほどなのです。
ミュンヘンといえば、クラシックも含めた欧州の音楽の拠点でもあります。ポピュラー音楽では、「ディスコ製造機」と呼ばれたプロデューサーのジョルジオ・モロダーに代表される「ミュンヘン・ディスコ」でも知られているわけですが、それにしてはこのシルバーコンベンション、後に残るようなインパクトに欠けていました。
実際、「フライ…」の後は大ヒットもなく、しぼんでいきました。というよりも、本当に「空高く」飛んでいって、消えて見えなくなってしまったようです。残念なことです。
ちなみに、ボーカルの1人ペニー・マックレーンは、ソロでレディー・バンプ(75年)もヒットさせています。曲調はシルバー・コンベンションとほとんど同じです。
写真のCDはユニディスクレーベルのベスト盤。いろいろとベストは出ているのですが、これが一番コンパクトかつ「ロングバージョン重視」で、出来がよいと思います。ペニーのレディ・バンプのロングも収録されています。印象は薄くても、ディスコ黎明期の立役者だったのは事実ですし、後に日本を含めて世界を席捲したミュンヘンディスコサウンドのルーツにあたる人々でもありますから、私も1枚入手したというわけです。