オルタード・イメージディスコって何だか知りませんけれども、お客の誕生日を祝うのが好きでした。

そんなとき、定番のスティービーワンダー「ハッピーバースデー」がかかることが多いのですが、札幌の釈迦曼荼羅という巨大2フロア型ディスコでは、このオルタード・イメージの同名異曲バージョンがかかっていたのを思い出します。

英国グラスゴー発のバンドであるオルタード・イメージ(「改造されたイメージ」というような意味でしょう)は、80年代前半にアルバムを3枚ぐらい出していなくなってしまいました。それでも、ジャリ系バンドだったにも関わらず、けっこう記憶に残るアーチストになったと思います。

賛否両論ありますが、ボーカルのクレア・グローガンの声が好きでした。あんなにはしゃぎ切ったスットンキョウな声、そんなに聞けるものではありません。「おっぺけペーのすっとこどっこい」です。

容姿ともども、クレアは「子供=ロリータ」なんです。このバンドの強烈な個性は、クレアそのものであるとはっきり言えます。ディスコでかかった曲の「変な声ベスト3」に必ず入ります。

そうです。バカ明るいのはまさに「ディスコへいらっしゃい」。スティービーワンダーのハッピーバースデーはどことなく「暗い」し、正統派モータウン的な気取りを感じさせます。それと比べて、クレアのハッピーバースデーは本当の「ハッピー」だと感じます。

写真のCDは2003年発売のベスト盤。ハッピーバースデーだけではなく、哀愁を帯びたメロディーが特徴的なBring Me Closer、やや大人びた調子のI Couldn't Be Happyも入っています。いずれも、なかなかの名曲だと思います。

英語ですが、ライナーノーツもなかなか良いです。もうすっかりおばさんになったクレアが、近影の写真付きで、ちょっと感傷的にオルタード・イメージ時代を振り返っています。

「ひょんなきっかけで地元の顔見知りとバンドを組んだら、たった2年で、いろんな国のヒットチャートを駆け上ってしまった。気が付けば夢のような日々。けれども、夢は長くは続かない。解散と同時に、レコードをすべて捨てた。17年間、聞くことはなかった……。でも、ずいぶんと時間はかかったけれど、今こうしてオルタードイメージと『再会』することができて、心から良かったと思っている」

「改造イメージ」に疲れちゃったのかな?子供はいつまでも子供のままではいられない――とまあ、私にとっては、そんな切なさや無常さも感じさせてくれるアーチストなのです。