TKはカサブランカと並ぶ70年代中・後期の代表的ディスコ系レーベル。本拠地はマイアミで、米音楽業界の大立者ヘンリー・ストーン(Henry Stone)が1960年代に設立。KC&ザ・サンシャインバンドが最も有名な所属アーチストだった。ディスコに興味があるのであれば、一度は通る「TKの道」である。KCだけではない。以前にも紹介したピーター・ブラウンのほか、ディスコ黎明期の1974年に「ロック・ユア・ベイビー」をヒットさせたジョージ・マックレー、「スパンク」のジミー''BO''ホーン、「アット・ミッドナイト」や「ドゥ・ホワット・ワナ・ドゥ」のTコネクション、「ゲット・オフ」のフォクシーなどなど、日本でも大ヒットした面々がそろい踏みだった。
KCを除いて一番、売れたのはアニタ・ワードの「リング・マイ・ベル」(79年)。初期のシンセドラムが素朴でよい。景気づけに加わる「ポーン、ポーン」という人をくったような電気音もまた印象的である。全米ポップチャートで2週連続1位を記録したのだが、その後、音沙汰が無くなり、いわゆる一発屋ということになった。
このCDは2枚組でウエストサイド盤。どの曲も、まだ80年代後半のような過度な電気音が強調されておらず、オーケストラとボーカルを主体にした「さわやか南洋性ディスコ」だ。当時のTKのエッセンスを凝縮していておすすめである。
値段も米国アマゾンだと日本円で2000−3000円で、しかもほとんどが12インチバージョンである。KCやアニタは入っていないけれど、これとは別に本人たちのベスト盤が広く売られているのでそちらをどうぞ。
もっと一般的な入門盤CDがよければ、再発モノで有名なRhinoレーベルの「Get Down Tonight: Best of T.K. Records」の方がよいだろう。ほかに、ホット・プロダクションの「The Best of T.K. Disco Singles」というのもあるが、このレーベルは音質がいまひとつだし、12インチバージョンを途中でちょん切ったりしているので注意。アナログ盤は…たいていどれも高値になってきているので、やっぱり私はCDをすすめたい。