Wham!ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーにより結成された英国のデュオ。82年ワムラップ!でデビューしたのだが、ディスコ的にはその後に発売されたバッドボーイズが最初の代表曲になる。

17歳の時、NHKのリクエストコーナーというFM番組で、英国のヒットチャートを紹介していたとき、ワムという名を初めて耳にした。かかったのはもちろんバッドボーイズである。当時はこの番組から盛んにエアチェックしていた。民放と違って、フルコーラスを放送する上に、曲と曲の間が完全に分離していたので、録音しやすかったのだ。

バッドボーイズは、最初に聞いたとたんに好きになった珍しい曲であった。のりのよさ、踊りやすさが群を抜いていた。黒人音楽のようでいて、白人2人組だったというのも意外性があっていい。当時のディスコでは、5分ほどの12インチバージョンが、がんがんかかっていた。曲の長さもちょうどよく、フェードアウトする終わり方ではないので、DJは曲間をつながずに、最初から最後まで全部かけていたのを思い出す。

この曲が収録されているデビューアルバム「ファンタスティック」は内容が濃い。ほかの収録曲も、ワムラップ!、ヤングガンズ、クラブトロピカーナ、ラブ・マシーン(ミラクルズのカバー)など、ダンスヒットが目白押しである。ディスコでは、どの曲もよく耳にした。80年代の「黒も白もない」アナーキーなダンスフロア文化を象徴するかのように、アース・ウインド・アンド・ファイヤーやマイケル・ジャクソンやZZトップ(!)なんかと一緒に「盛り上げタイム」にプレイされていた。

このCDは日本盤で12インチバージョン集になっている。バッドボーイズのほか、ヤングガンズ、後の大ヒットであるラストクリスマスなど計6曲入り。昔のロングバージョン好きにとってはありがたい内容。アマゾンや中古店では1000円程度で、お買い得でもある。