Claudja Barryジャマイカ生まれのカナダ育ち。後にドイツに移住という世界をまたにかけた履歴の持ち主。ディスコ界では、大御所とまではいかないが、40本ぐらいの指には入るヒットメーカーだった。

高校生のころ、最初にレコードジャケットの写真をみたとき、鼻の穴が大きいのが印象的だった。当時のヒット曲はワーク・ミー・オーバーとアイ・ウイル・フォロー・ヒムで、12インチではカップリング盤。前者はビートが重くて、シンセ/シーケンサーうねうね系のアップテンポハイエナジー、後者は63年のリトル・ペギーのヒット曲のカバーで、曲調はミディアムテンポで乙女ちっくな感じである。

このCDは、Unidiscと並ぶディスコ再発レーベルである米ホット・プロダクション盤。前述の2曲のほか、ビルボードのディスコチャートで1位に輝いたダウン・アンド・カウンティング、日本でも大人気だったブギウギ・ダンシングシューズを収録。後半がカットされている場合が多いが、一応、ほとんどが12インチバージョンになっている。

ところが、音質はすこぶる悪い。オリジナルマスターテープから録音したと明記している割には、レコードが音源だともろに分かる曲目ばかりである。しかし、ほかに再発を出しているレーベルがあるわけでもなく、CDで聞きたければここのを買うしかないのだ。この人の曲自体は、80年前後のドンドコ系のディスコを象徴していて非常によいだけに、ちゃんとした録音のCD発売が待たれる。