
彼女たちは、幼少時から地元の名ゴスペル・シンガーとして鳴らし、デビューも意外に古くて1960年代後半です。69年、アイザック・へイズのプロデュースで、シングル曲「So I Can Love You」が全米R&Bチャート3位まで上昇するヒットとなりましたが、その後はしばらく停滞しました。
大ブレイクしたのは、70年代後半にアース・ウインド・アンド・ファイヤー(EW&F)のモーリス・ホワイトをプロデューサーに迎えてからになります。76年、ダンスクラシックとしても知られる「I Don't Wanna Lose Your Love」がR&Bで13位、ディスコチャートで4位まで上昇するヒットとなり、ようやく復活を果しました。
翌77年には、あまりにも有名な「ベスト・オブ・マイ・ライフ」(変なYouTubeサンプル動画)がR&Bチャートで見事1位(4週連続)を獲得しました。この曲は、世界中のディスコで、大定番として定着することになります。
勢いはとどまらず、1979年には「EW&F With The Emotions」のクレジットで、これまたキラーチューンである「ブギーワンダーランド」をヒットさせ、人気は最高潮に達しました。
ただ、米国でのディスコブームが去った80年代以降は、再び低迷期に入ります。その落ち込みようはシスター・スレッジ以上で、さまざまなチャートから姿を消していきました。80年代半ばからは、著名ミュージシャンのバックボーカリストなどとして、細々と活動してゆくことになります。
それでも、彼女たちの70年代末期の曲は、今も昔も、すさまじいほどの盛り上がりをフロアに呼び起こします。とりわけ日本では、「ベスト・オブ…」、「ブギー・ワンダー…」、それに「スマイル」(78年)が、まさに御三家。これらの曲は、イントロですぐ「あの曲だ!!」とバレるのが特徴であります。絶好調タイムにうまい具合にかかると、みんな大爆発してましたね。私も若い当時は、汗まみれになって踊ったものでした。
惜しむらくは、名曲「ベスト・オブ…」と「スマイル」、それに「I Don't Wanna Lose Your Love」があまりにも短い(それぞれ3〜4分)ということでしょうか。「ホット・トラックス」という米国のDJミックスレーベルから、海賊版みたいな別バージョンが出た程度で、正規12インチが作られなかったのは、残念なことであります。
エモーションズのCDは比較的たくさん出ています。写真は16曲入りの「The Best of the Emotions」(Sony盤)。なかなか秀逸なバラード(「Don't Ask My Neighbors」など)も含めて、たいていのヒット曲が網羅されております。
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