Kongasほとんど何の脈絡もなく、今回はコンガスを紹介しようと思います。以前に紹介したセローンが中心メンバーだった時期もあり、ラテン/アフロ風のドラムビートをかなり強調した曲が多いグループです。

1970年代前半にフランスで結成したとされ、ユーロディスコの草分けのような存在です。セローンだけではなく、これも以前に紹介したドン・レイアレック・R・コスタンディノスというディスコ界のビッグネームもメンバーとして名を連ねていました。初期には、プロモーションのために日本も訪れたことがあるそうです。

ディスコミュージックは、1960年代の米国のソウル音楽を最大の出発点としていますが、それにラテン、ロックンロール、ジャズ、ときにはカントリーなんかも要素として貪欲に吸収し、発展していきました。

このコンガスも、ごった煮ディスコを象徴するように、「四つ打ち」のドラムビートを前面に出しつつ、いろんな音楽要素を取り入れています。特に「コンガ」という名前からも察せられるとおり、パーカッションを非常に派手に使っていて、アフリカンでトライバルな魅力に溢れていて「Oh〜ダンサブル!」ってわけです。

知名度は低いわけですが、何しろセローンが加入していたグループなわけですから、ディスコ史を語る上では欠かせない存在でしょう。「フランス発」というのもなかなか意外性があってよいと思います。

彼らの代表的なディスコアルバムは、「Africanism」(77年)と「Anikana-O」(78年)の2枚です。

とりわけ前者は、アルバムとして全米ディスコチャートの3位にまで上昇しています。圧巻は表題曲「Africanism」。もうこれは、しっかりしたドラムワークとトライバルな曲調がめちゃめちゃかっこよく、その上ボーカル(ドン・レイだと思う)も超パワフル!。全身シビれます。ここは久しぶりに「特大おススメ」としておきましょう。

一方の「Anikana-O」もまずまずの出来ですね。最近のクラブシーンでは、こちらの方が人気があるようです。リアルタイムでは、「ジャングル」という収録曲が、日本のディスコでも「ちょっと変わったアフリカン・ジャングルディスコ」として小ヒットしました。でも、曲調が全体的にちょっと地味ですので、「ケバいディスコな感じ」という点では、やはり「Africanism」に軍配が上がると思います。

写真のCDは、その「Africanism」(Amazonnサイトで試聴可)。例の米フロリダ州「ホットプロダクションズ(Hot Productions)」盤ですけど、アルバム収録の4曲に加えて、80年代前半に12インチシングルで発表した「Why Can't We Live Together」と「The Fun City」がオマケで入っています。実はCD-Rなんですが、音質は悪くないので一枚持っていても損はないでしょう。「Anikana-0」については、一部の曲がサルソウル系のコンピCD「Laten Funk Flavas」などに収録されています。