Fantastiqueいやあ、このアーチストを知ってる人はあまりいないでしょうが、私の個人的お気に入りをたまにはあからさまに……というわけで、今回は「ファンタスティック」であります。もう徹頭徹尾、歌謡曲丸出しです。むしろ竹の子っぽい。聴き込めば聴き込むほど、頭が混乱してきます。とにかくビバ! ユーロ・ディスコ!

まずは百聞は一聴にしかずであります。YouTubeで見つけてきた代表曲「ママ・トールド・ミー」に、どうか心を落ち着けて耳を傾けてみてください→ココ

アラベスク、ニュートン・ファミリー、ノーランズ、ドリー・ドッツ、オッタワン、バカラ……あたりを思い浮かべた方も多いかと思います。もう、その時点で正統派ソウルディスコのファンからの批判の矢が一斉に飛んできそうですが、いやあ、やっぱりどこか好きですね、ユーロディスコ。

ファンタスティックは、アンネ・フランクの国オランダの男女デュオです。1980年代初期、本国ではまあまあの活躍を果した人たちです。ママ・トールド・ミーは、81年に5位まで上昇しました。……でも、それだけです。

ちなみに、スリー・ドッグ・ナイトの大ヒット曲「ママー・トールド・ミー」ではまったくありません。というのも私、札幌のディスコで初めて耳にして、かつ誰かからもらったそのディスコ(名前は「テレサ・ガリレオ」だったと思う)のテープにも入っていて、そしてお気に入りになったわけですが、それを馴染みの輸入盤店で探していたら、「それ、スリードッグナイトのやつでしょ?」と中年男性店員に当たり前に言われて困った記憶があるのです。

いくらマイナーであろうとも、気に入った曲は下手したら一生忘れません。「ママ・トールド」は、私にとってはそんな一曲なのですね。オランダは私が唯一、仕事で行った欧州の国(17年前)ですし。

まあ、当時の傾向からしても、ブラコンやニューウェーブはもちろんのこと、ハイエナジーとかと比べても非常に変テコな曲でしかありません。でも、あまりにも雰囲気が異様なので、かえって魅力が際立つ一品といえるのではないでしょうか(断定)。

日本ではまったく無名とはいえ、欧州では一般チャートにもランクインしたくらいですから、多少の存在感はあります。驚くことに、誰かが作った専用ホームページ(しょぼい)まであります。

いまのDJさんで、ダンクライベントなどでこの曲をかける人がいたら、無条件に尊敬します。それくらい、実はトホホな価値を秘めた人たちなのです。写真のCDは、もちろんオランダ盤。ママトールド以外にも、奇天烈な歌謡曲モノが目白押しです。なかなか入手はできないでしょうが、ほしい人もめったにいないでしょう。究極のディスコワンダーランド「トロカデロ」ではかかってたみたいですけどね。